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ドクターNとKの診療室

バケットカー  ピニオン割れ   2016.7.8

添付画像

 TOY STATE社のバケットカーです。ラジコンではなく、有線リモコンで動かします。バケットが上下しないとのことで、分解しますと、ジュラコン製のピニオンギアが割れて動きが伝わっていないことがわかりました。モーターの軸に付いているピニオンでは無く、減速ギアの最後についていて、バケットについているラックギアに当たっている部分です。
 我々はモーター用のピニオンギア交換には、おもちゃ病院で数種類持っているものを使います。しかしこれはすこし様子が違います。普通よく使うのが0.5モジュール(ギア外経mmを、歯数+2で割った数字。同じモジュールならギアの大きさが違っても歯の大きさが同じなのでかみ合う)です。ところが、このギアは0.8モジュールの10枚歯で、手持ちはもちろん、ネットで検索してもあまり出て来ません(金属製の部品で高価なものはあるようです)。写真のギアで、右側の大きいギアが0.5モジュールです。歯が小さいのがわかります。
 他所のおもちゃ病院の達人はギアの自作までこなしておられますが、私にはそこまでのスキルもツールもなく、割れたギアの温存を模索することに。ギアが割れて滑っているので割れた部分が開かないように糸で縛ることを考えました。相手のギアが薄いギアなら、ピニオンの周囲に糸を巻くということができそうですが、相手はラックギアなのでピニオンの全面が当たります。そこでギアの歯に絡ませてみました。最初はナイロンテグス。4号で結構強いと思いましたが、全然ダメでした。少し伸びるのです。いろいろ探して極細のステンレスワイヤをほどいて構成の一部を取り出して縛ってみました。ワイヤはほどけないようにエポキシで固めました。
 うまく動きます。しかし、いずれこのギアの別の箇所が割れた時はどうしようもないでしょう。


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