ドクターNとKの診療室 - はしもとおもちゃ病院2

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ドクターNとKの診療室

Pino 2016.9.10

添付画像

 Pinoというロボットです。今は亡きツクダオリジナル製だそうで、初めて見ました。丁寧に保管されていて、紙箱や取説もあります。説明書を読むと、遊んでやると3段階に成長するという仕掛けで、かなり複雑な動きをするようです。当然センサーがいっぱい付いています。音、光、赤外線、両手のスイッチ、頭のスイッチと6種類のセンサーで外部の状況を捉えるのです。

 持ち込まれたときは反応しないと言うことでした。電池を入れるとモーターが回っている音がしますが、動きません。カバーをどんどん外していくと、胴体内のギアボックスにあるモータからプーリーとゴムベルトでギアを駆動しているのが見えます。まずゴムが緩んで滑っています。しかし、その先も空回りしているようです。ということはギアボックス内のピニオンギアの割れかと見当を付けて分解しました。案の定割れています。10Tの山道ドライブ用ピニオンで入れ替えました。直径22mmのベルトを院長から頂戴して交換しました。快調に動きます。

 次は腰の部分のギアボックスです。ここも同じ状況で、ベルトとピニオンギアがダメです。しかし、ベルトは少しましなようなので、滑り止めに松ヤニを塗ってそのままとしました。そのときにギアボックス内に見慣れないギアがありました。写真の赤矢印の先です。遊星ギアのようです。よく見るとモーターの回転方向で全く違う動作をさせていることがわかりました。右回転の時は足を動かすギアにかみ合い、歩きます。左回転になると別のギアにかみ合って腰を振るのです。

 これを駆動するHブリッジ回路が故障です(水色矢印)。基板を外して調べるとトランジスタ6個の普通のHブリッジ回路なのになにか変です。トランジスタは8850と8550で、普通に見かける物です。どう見ても変なのであちこちの情報を漁るとありました。8550といってもS8550、SS8550ではなく、UTCのHE8550、HE8850はピン配置が違うのです。前者は足を手前にして右からCBEの順。ところが後者はBCEの順で、2SC1815などと同じなのです(写真4枚目)。この基板にはこれが混在していてきわめてややこしいことになっていました。しかし、結果はトランジスタの半田付けの不良と判明し.修理して動き出しました。ところが、これ以後テスト中にモータの配線を短絡させてしまい、Hブリッジ回路を壊すという二次故障となりました。その後壊れたトランジスタを取り替えてやっと復旧しました。そのほか手のタクトスイッチの交換も終わりました。ゆっくりやったので、二週間かかりました。

取説です


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