JOZENと言うメーカーのラジコンで、前輪の操舵はできるが、後輪が動かないとして持ち込まれました。カバーを取ってみると、制御基板のケースに大きな穴が空いています(写真上の右)。ケースを開くと基板の一部が黒焦げになっていました(写真下の赤矢印)。ケースの穴はその部分の上に相当するところで、熱で溶けたようです。オーナーさんに聞きましたら、特に発火などはしなかったということですが、ケガがなかったのが幸いでした。
なかなか派手にこげているのは後輪モータドライブのPMOS-FETで、さわるとぽろっと取れてしまいました。跡は基板が炭化していて配線のパターンなど全く無くなっています。それでもそのための電流もれも特にないようです。
代替のPMOS-FETを取り付けるのに、別基板にしようかとも思いましたが、ケースに収まりそうに無く、基板を眺めていると予備のモジュール設置用の空きエリアが目にとまりました。
これはこげたモジュールの横にもありまして、合計4個のPMOS-FETを乗せられる設計になっているのです。こげた部分とその隣は使えませんので、残ったモジュールの隣(写真右下端)に設置することを考えました。配線はそのままでは使えませんので、改造するために、まず回路図を起こしました。基板から回路図を起こすのはどうも苦手です。全体を回路図にするのが良いのですが、根気が伴いません。出力部のみをやっと回路図にしたら、あとは配線するだけです。配線は写真では見えない裏側にしています。
でき上って目視点検をし、電流計を入れておそるおそる電源をつないでみました。ショートはしていないようです。送信機で前後の操作をすると、電圧が反転して出て来ます。各部の電圧も正常です。モータをつなぐと正常に動作しました。修理完了です。