どうようえほんという音楽系のおもちゃです。歌とカラオケが30曲仕込まれています。選択は5行、6列のスイッチを押すだけ。メンブレンスイッチと言うそうです。最下行の6曲が鳴ると言うことですので、間違いなくスイッチの配線不良でしょう。
開いて調べましたが、目視や光の透過でも切れたところは発見できません。そこで、接点がついたシートを外すことにしました。ドライヤーで暖めながらゆっくりと剥がします(写真下)。
印刷配線部分が露出しましたので導通をチェックすると、各行の横方向に走っているパターンがほぼ全滅です。縦のパターンと交差している部分で切れているようなのです。こうなるとかなり面倒な補修が必要です。そこで、極細の銅線をパターンに沿わせて接着剤で所々固定し、パターンの上で導電性接着剤を使って銅線とパターンの導通を図りました。設置した銅線は計5本。その上から外してあったスイッチ接点がついたシートをかぶせて固定。配線は基板から直接極細銅線に接続しました。
元に戻してくみ上げると全部正常に鳴るようになりました。このおもちゃは細かい作業の連続で何度もあきらめそうになりました。原因がはっきりしていて根気さえ有ればそれほど難しい修理とは言えないのですが、その根気が年とともに払底しつつあります。