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ドクターNとKの診療室

トミカ 回転エレベーターレーシングセンター  2018.5.12

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 ミニカーを6台、上に運ぶエレベーター。回転して1台ずつ積み込み、上に上がったら回転して降ろし、エレベーターはまた下に降りるという動作をします。回転はするが、上下の動作をしないということで持ち込まれました。動かして見せて頂くとその通りの動きです。

 分解しても特に目立つ故障箇所がないので、時間がかかりそうと考え、お預かりしました。持ち帰って詳細な点検の結果、原因は電池の容量不足ということが判りました。初歩的な点検ミスでした。動作させると確かに回転はするのですが、なぜ上下の動作をしないのか、これはオシロで電源電圧を観測してすぐに判りました。上下動作のモーターを起動すると負荷で電圧が短時間ですががっくり落ちています。その時点でコントローラがリセットしてしまっていたのです。

 電池を調べると3本の単2電池の内、1本が古くなって起電力が落ちています。回転用のモーターはRE130タイプ、上下用はRE140タイプで、起動時の負荷電流がかなり大きくなっているようなのです。

 回路図を起こしてみました。コントローラとHブリッジドライバの制御側電源はR2 100Ωを経由して供給されています。モータードライバには電池から直接供給されています。このR2 100Ωと、100μFでローパスフィルタを構成しています。そこで、R2の前の電圧変化の影響をさらに抑えるために100μFに並列に470μFを設置したところ、この古い電池が混在していても上下動作を開始するようになりました。つまりリセットがかからなくなりました。

 しかし、これは古い電池を使うための改造ではなく、あくまでノイズ等の影響を軽減するのが目的なので、古い電池の混在はまずいことをよく説明することにします。このままだと、早晩液漏れも考えられます。

 持ち込まれる故障原因の最多が電池容量不足ということをまたもうっかり失念していました。

 回転部分の駆動モーターは高速回転と低速回転をするようになっています。これはPWMで実現しています。用途不明なのが、両Hブリッジドライバの8番ピンからコントローラへ1KΩで接続していることと、回転部分の駆動用ドライバの入力ピン(2,3番)だけに入っている1kΩ。出力ピンのはもしかしたら実効電圧のフィードバック用かとも思いましたが、電源電圧を変えるとモーターの回転速度も変化するのでPWMで実効電圧の安定化をしてるようにも見えません。


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