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ドクターNとKの診療室

どうようクラシック名曲ピアノ絵本  2018.9.8

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 ポプラ社の どうようクラシック名曲ピアノ絵本。開くと鍵盤の横幅が広くなります。まったく音が鳴らないと言うお話しです。まあ、クロックが発振していないかもと、中を開けてみますと昔の時計用みたいな円筒型の水晶がありました。これを外して、手持ちの10MHzを付けると音が鳴ります。クロックの発振不良でした。

 しかし、周波数が判らない。お預かりして他のおもちゃ病院の記事を検索すると見つかりました。茨城・県西おもちゃ病院の8年前の記事です。ここの写真にくっきりと周波数が出ています。16.384MHzです。手持ちがないので、他の周波数で代替して動作確認に入りますと、どうも動きがおかしい。動作したり、しなかったりと不安定なのです。オシロで観測すると、クロックが発振したりしなかったりという状況が見えました。

 さらに記事を検索すると、類似した記事がまたもや上記おもちゃ病院のブログにありました。今度は4年前のファンファンキーボードの記事です。クロック発振が不安定なので、外部発振器から注入したら安定したと言う内容です。10MHzなら発振器がありますので、入れて見るとなるほど動く。

 ということで、方針は決まりました。しかし部品がないので、中国サイトを調べるとSMDの発振器で16.384MHzが5個$5弱で出ています。オーナーさんに了解を得て、発注。2週間で届きました。下の写真が基板に発振器を裏返して取り付けた写真です。その下は発振器の表側の写真です。5mm×7mmというサイズです。

添付画像
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  ところが、めでたしとはなりませんでした。動作しないキーがいくつかあります。やむなく回路を追いかけてみますと、配線は切れていないがICが反応していないのです。面倒ですが、回路図を起こしました。
 すると、縦と横のマトリクスで構成された内の3本が動作していないことが判りました。マトリクスは8×8の構成で、そこにダイオードとスイッチがあって54種類の動作を検出します。回路図と、キーの構成表は別に掲載します。このうちの3本に関係するスイッチが合計15動作していません。子基板までは配線切れが無いことを確認しました。あとは子基板の上の配線でICを覆う樹脂までが正常かどうかです。

 下の写真は顕微鏡で基板を確認しているところで、赤矢印が問題の配線の1本です。ところが、3本とも導通は正常で、樹脂の内部で異常が起きている可能性が高いことが判りました。鍵盤は11個がだめなので演奏は無理です。オーナーさんは鍵盤より搭載されたメロディを使えればいいということで、このまま進め、修理完了としました。


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スイッチと入出力ポートの接続表、回路図です *[PDF書類] *[PDF書類]

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