ちょっと前にお預かりしNIKKOGTR R35 27MHzのラジコンカー。原因は電池の液漏れですが、最悪だったのは電池の極板が直接基板にハンダ付けされていて、漏れた液が基板にどんどん入り込んでいた事です。基板の内部から腐食していて、青いソルダレジストの下からふくらんでいました。アルコールで清掃すると、レジストがぼろぼろと剥がれ、下の銅箔も各所で薄くなったり切れたりしています。
簡単に判るところは補修して通電してみると、受信初段の超再生が動いていませんでした。これはアンテナにオシロをつなぐとすぐに判ります。超再生回路への電源供給は3Vほどあるはずなのですが、全くありません。安定化のツエナーダイオードが短絡していました。交換して電源を供給するとアンテナからクエンチングの状況が確認できました。
送信機は正常だったようで操舵輪は動き始めました。しかし前後進は反応なし。Hブリッジがだめなようです。回路を追いかけプリントパターンの途切れを発見する度にバイパス配線。数カ所を補修すると前後のモーターも動きました。
一応修理は完了ですが、これだけプリント基板に電解液がしみこんでいるとさらなる腐食が進んで今後も配線切れとなる可能性はあります。
今回ちょっとおもしろかったのは電源スイッチです。最後の写真2枚がスイッチのレバーと、その内部です(矢印)。レバーをOFF位置にすると、電池ケースの+極から棒が出て来て電池を押します。すると、電池が回路から切り離されるというしかけです。