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セガ Home Star (プラネタリウム)    2018.11.25

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 SEGA HomeStar というプラネタリウムです。電源が入らないという症状で持ち込まれました。前担当者が液漏れした電解コンデンサを発見し交換したが症状が改善しないとして、こちらに。

 拡大鏡で詳細にチェックしたところ、電源と思われる半導体のパッケージ中心付近に小さな穴が空いているのが見つかりました。チップが破裂した可能性があります。RT9161Aと表記されています。3.3Vの低ドロップアウトのシリーズレギュレータです。手持ちのBA033というよく似た性能のと交換してみると電源横のLEDが点滅し始めました。その隣には2SJ439が付いていて、照明用LEDの制御になっています。これも動作がおかしいので交換しました。このFETは低GS間電圧差で動作するタイプで、ちょうどいいのがなく、Hブリッジによく使うTPC8406というPNチャンネルが入ったFETモジュールのPチャンネル部だけを使いました。

 交換後は照明が点灯しますが、投影像を回転させるモーターや、彗星を光らせる機能など、押しボタンが3個あってセットできるはずですが反応しません。COBの制御IC中の機能として、タイマ(3時間)は正常なのですが押しボタンの機能だけがだめです。

 オーナーさんと相談して、電源を入れたら映像は回りっぱなしで、逆転はなし、時間選択できるタイマーも無し。彗星機能も無しということで、最も簡易な修理コースとなりました。彗星機能と言っても画面の一部にぼーっと太い光が移動する程度ですし、これを駆動するゴムベルトが失われていて、新たに入手するには時間が足りないので、無くするという選択肢を提案した次第です。
 今回の故障ではCOBの制御部がおかしいのは確実なのですが、一部の機能は働いているという状態でした。電源用のレギュレータに穴が空いていたと言うことから、何らかの電気的ショックがあった可能性もありますが、そこまでの解明は無理です。

 この機種はネットを検索しても記事が出てこなかったので、修理報告と電源部の回路の一部を載せておきます。モーターの制御はHブリッジで左右対称なのですが、逆転はしないと言うことにしたので、片側だけの回路図です。逆の方はトランジスタのベース抵抗を外して動作を殺しています。Q3は無くてもいいのですが、これも含めてモーターの回転速度を決めていると思い、残しました。

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