ドクターNとKの診療室 - はしもとおもちゃ病院2

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ドクターNとKの診療室

どうようクラシック名曲ピアノ絵本  2018.9.8

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 ポプラ社の どうようクラシック名曲ピアノ絵本。開くと鍵盤の横幅が広くなります。まったく音が鳴らないと言うお話しです。まあ、クロックが発振していないかもと、中を開けてみますと昔の時計用みたいな円筒型の水晶がありました。これを外して、手持ちの10MHzを付けると音が鳴ります。クロックの発振不良でした。

 しかし、周波数が判らない。お預かりして他のおもちゃ病院の記事を検索すると見つかりました。茨城・県西おもちゃ病院の8年前の記事です。ここの写真にくっきりと周波数が出ています。16.384MHzです。手持ちがないので、他の周波数で代替して動作確認に入りますと、どうも動きがおかしい。動作したり、しなかったりと不安定なのです。オシロで観測すると、クロックが発振したりしなかったりという状況が見えました。

 さらに記事を検索すると、類似した記事がまたもや上記おもちゃ病院のブログにありました。今度は4年前のファンファンキーボードの記事です。クロック発振が不安定なので、外部発振器から注入したら安定したと言う内容です。10MHzなら発振器がありますので、入れて見るとなるほど動く。

 ということで、方針は決まりました。しかし部品がないので、中国サイトを調べるとSMDの発振器で16.384MHzが5個$5弱で出ています。オーナーさんに了解を得て、発注。2週間で届きました。下の写真が基板に発振器を裏返して取り付けた写真です。その下は発振器の表側の写真です。5mm×7mmというサイズです。

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  ところが、めでたしとはなりませんでした。動作しないキーがいくつかあります。やむなく回路を追いかけてみますと、配線は切れていないがICが反応していないのです。面倒ですが、回路図を起こしました。
 すると、縦と横のマトリクスで構成された内の3本が動作していないことが判りました。マトリクスは8×8の構成で、そこにダイオードとスイッチがあって54種類の動作を検出します。回路図と、キーの構成表は別に掲載します。このうちの3本に関係するスイッチが合計15動作していません。子基板までは配線切れが無いことを確認しました。あとは子基板の上の配線でICを覆う樹脂までが正常かどうかです。

 下の写真は顕微鏡で基板を確認しているところで、赤矢印が問題の配線の1本です。ところが、3本とも導通は正常で、樹脂の内部で異常が起きている可能性が高いことが判りました。鍵盤は11個がだめなので演奏は無理です。オーナーさんは鍵盤より搭載されたメロディを使えればいいということで、このまま進め、修理完了としました。


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スイッチと入出力ポートの接続表、回路図です *[PDF書類] *[PDF書類]

2.4GHz CCPラジコン ハマー  2018.8.12  

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 CCPのラジコン車で、2.4GHzタイプです。前進しないという症状から、その後電源ON後のペアリングもできなくなったということです。とりあえずチェッカーで送信機の電波は確認できました。受信側ということで、開いてみると、防水のはずの本体内部にかなり水が溜まっていて、そのせいで基板が見事に錆びています。2枚目の写真で左上部の子基板が無線とデコーダーなどが入ったモジュールです。親基板との接続部が錆で覆われています。親基板にはモータードライブのHブリッジが乗っているだけです。

 よく見ると下部中央のHブリッジ(赤矢印)が割れています。周辺の錆やゴミを清掃して無線基板を外して見ました。なんとかこの辺は大丈夫そうなので、Hブリッジの部品の手持ちもないので入院としてお預かりしました。

 帰宅後ICを外して拡大鏡で確認するとMT4607というPNチャンネルMOSFETということがわかり、手持ちの中から東芝のTPC8406で代替することにしました。

 錆を落として無線基板を付け直した状態で、テストすると問題なくペアリングと前輪の操作ができました。後輪用のHブリッジを取り付け、テストすると正常に電圧が出たのでモーターの配線も取り付けて修理完了です。

 故障の原因は錆の部分で短絡し、Hブリッジに異常な制御電圧がかかったため、FETに大きな電流が流れてしまったと言うことかもしれません。前に扱った事例ではここから火を噴いて、ケースや基板まで焦げてしまったというのがありました。(2017.1.14)

 この手のラジコン車はつい、水の中とか泥の中を走らせてしまいがちなのでしょう。いい加減な防水は、入った水が乾燥すること無く基板など金属部分を腐食するという結果になることを、お返しするときに説明します。

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おしえてトーマス   2018.6.24

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 おしえてトーマスという知育おもちゃですが、音が出なくなったと言うことで持ち込まれました。分解に手間取りましたが、メンブレンスイッチを外して内部を露出しました。

 まず、スピーカーの点検は、問題なくOK。電源部分はバッテリケースにも錆は無く、ケーブルも異状なしで基板までちゃんと供給されています。簡単な基板で、COBと、水晶、トランジスタ1個という内容です。トランジスタの故障かと思いましたが、これもOK。トランジスタはスピーカーのドライブ用でした。スイッチング用としての使い方で、おそらくPWMで音を出しているのではないかと予想します。

 メンブレンスイッチは2枚、したがってキーもたくさんあります。電源ON/OFFもこれに含まれています。電池を入れた状態で水晶の横にあるテストポイントをチェックすると、電源スイッチを押していない状態でも正弦波が見え、発振が確認できます。周波数は4MHzで水晶の表示と符合しています。しかし、メンブレンスイッチのスキャンをするはずの信号がどこにも出ていないのです。親切な基板で、スイッチとの接続ポイントが総てチェックポイントとして基板に出ています。

 いろいろとやってみました。外部電源で3Vを中心に±1V程度変動させて見ると、少し低い電圧だと電源スイッチを入れていないのに発振が確認できます。3Vちょうどだと発振はしていません。電流も消費しておらず、電源コントロールのメンブレンスイッチに3Vが来ています。スイッチの両端子を軽くショートさせると水晶が発振し始めました。ここまでは正常に見えます。ところが、この段階でも音声回路には信号は出ないし、スイッチの各チェックポイントはグランドレベルの電圧となってなんの信号も出て来ません。リセットも効果無しでした。

 千葉県鎌ヶ谷市のおもちゃドクターのブログに記事が出ていたのでお聞きしたところ、早速お返事を頂きました。しかしだいぶ前の事例であり、記録も残っていなかったということでした。残念ですが今回は修理不可でお返しします。


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re:アンパンマンおしゃべり動物図鑑 コメント続き

大泉様 おお、そうですね。これはうっかりしていました。早速実験です。以下Vfの実測値です。
OSI5LA3131A(940nm)  1.179V
OSI3CA3131A(850nm)  1.437V
ペンに付いていたLED  1.408V

LEDには定電流電源で20mAを加えています。Vfは電流値でけっこう変化しますが、カタログみたいに大電流を加えるのはいやなので少なくしています。上記型名のメーカー資料(OptoSupply)では、OSI5LAが100mAで1.6V、OSI3CAが50mAで1.6Vとなっています。すごいですね、前者のは絶対最大電流が100mAとなっていて、そのときの電圧とか、発光波長などが資料として掲載されています。

さらに調べていて、秋月のページにおもしろいことが書いてあるのに気づきました。850nmのLEDは可視スペクトラムを含むので、暗いところで見れば赤く光って見えると。OSI3CAのは赤く見えます。ペンのも試してみるとわずかに見えました。Vfと見え方、この2点の特徴から間違いなく850nmのLEDで良いと言うことが判明しました。ただし、ペン装着状態では点灯時間がごく短いパルスなので、暗闇でも肉眼では見えません。



re:re:アンパンマンおしゃべり動物図鑑 コメント続き 大泉茂幸さん 6/23(土) [編集]

つつじが丘おもちゃ病院 大泉です。
ご確認有難う御座いました。これでスッキリしました。


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アンパンマンおしゃべり動物図鑑      2018.6.9

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  アンパンマンことば図鑑のシリーズで動物図鑑。このタイプのペンを見るのは初めてなので記録を残しておきます。

 症状はオープニングメッセージは出るが、絵本を読み取れないというもの。先端をデジカメで観察すると、2個のLEDの内1個が光っていない。光らない原因はまだわかりませんが、読み取らない原因はおそらくこれでしょう。

 持ち帰って調べると駆動部は正常でした。LED自体の故障です。手持ちの赤外LEDは5mmφばかりで、ここに使われている3mmφのはありません。和歌山おもちゃ病院のDr.がついでがあるからと日本橋で買ってきてくれ、郵送してくれました。送って下さったのは850nm、940nmという2種類の波長のLEDです。

 さて、どちらを使うべきか。肉眼では見えないので、頼りはデジカメ画像です。まず、20mAほど流して両方のLEDをデジカメで見てみました。940nmの方はかなり暗く、850nmの方は割合はっきり見えます。そこで、短波長の方を取り付けて見ました。カメラで確認すると元から付いていた正常な方のLEDとよく似た見え方です。(写真下 左側)。テストすると順調に読み取ります。せっかく送って下さったので、940nmの方でもテストしてみました。デジカメでの見え方は非常に暗いですが光っていることは確認できます(写真下 右側)。読み取りテストの結果はダメでした。シリーズの他のタイプでは片側LEDでも結構読み取るケースが多かったのですが、このタイプはダメの様で、2個で照明しないと読み取りません。センサーの特性などもあるのでしょう。ということで、850nmのLEDを付け直して修理完了としました。

 先端の読み取りセンサーは他のシリーズのとは違って、黒いモジュールで固めた構造では無く、保護部を外すとLED部が露出しています。また、10ピンのコネクタでつながっていて、抜き差しができます。センサーのピン結を載せて置きます。

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re:アンパンマンおしゃべり動物図鑑      2018.6.9 大泉茂幸さん 6/23(土) [編集]

つつじが丘おもちゃ病院 大泉です。
LEDの波長はVfを測れば判別できます。
850nmは1.6V、940nmは1.35Vが標準値です。
正常だった方のVfは何Vでしたか。


re:アンパンマンおしゃべり動物図鑑      2018.6.9 Nさん 6/22(金) [編集]

そうですね。おそらくイメージプロセッサと同じくSONIX製かと思ってホームページを見ましたがこういう形のはありませんでした。他の形のでもセンサーの波長に対する感度特性などは見当たらず、どんな照明が最適なのかはよくわかりません。ひとかたまりになっていて、修理で別物のパーツを当てるというような事態は想定されていないでしょうから。


re:アンパンマンおしゃべり動物図鑑      2018.6.9 田中さん 6/22(金) [編集]

こんにちは。
LEDの型式情報と放射角のアドバイスありがとうございます。

短波長のみOKなのはイメージセンサの特性によるものかと推測しました。

今後の活動に活用させていただきます。
ありがとうございました。


re:アンパンマンおしゃべり動物図鑑      2018.6.9 Nさん 6/22(金) [編集]

投稿ありがとうございます
LEDの型名は次の通りです
OSI3CA3131A   850nm 30°
OSI5LA3131A   940nm 30°
大きさは3mmφです。波長さえ同じなら他のものもOKかと予想します。ただし、放射角は余り広くない方が良いと思います。


re:アンパンマンおしゃべり動物図鑑      2018.6.9 田中さん 6/22(金) [編集]

はじめまして。
おもちゃ修理の勉強中です。

赤外線LEDの両方の型式が分かれば教えていただけないでしょうか。
よろしくお願いします。


re:アンパンマンおしゃべり動物図鑑      2018.6.9 Nさん 6/21(木) [編集]

SN9P701FG-303となっています。
48ピンです。ネットでデーターシートが見つかります。


re:アンパンマンおしゃべり動物図鑑      2018.6.9 大泉茂幸さん 6/21(木) [編集]

つつじが丘おもちゃ病院 大泉です。

基板画像ではイメージプロセッサは48ピンのように見えますが、データシートが公開されているものだと有難いです。型番を教えて下さい。


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キーボード      2018.6.9

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 特にキャラクターの名前の付いていないキーボードです。全然音が出ないということで持ち込まれました。当初目視では特に異状が見つけられず、持ち帰って原因を調べることにしました。基板に電源が供給されていません。電池からの配線は良いみたいです。このキーボードは基板がたくさんに分かれていて、フラットケーブルで接続されています。電源基板まではOKなのですが、次のメイン基板に来ていません。

 ルーペで詳しく観察するとプリントパターンにくすんだ部分がありました(赤矢印の先)。保護の青い塗料をカッターで剥がしてみると、パターンが腐食されて切れていました。保護の青い塗料の下なので簡単な目視では見つかりません。これを別線で接続すると、ちゃんと音が出ました。

 しかし、キーボードのたくさんあるボタンの内、水色の左側の3個が動作しません。オシロで観察すると信号が来ていない部分があります。疑わしいパターンをルーペで追うと、またくすんだ部分がありました。写真下の赤矢印の先がそうです。やはり腐食によるパターン切れです。製造工程がいい加減なのがよくわかります。これも塗料を剥がして接続し直すとこんどは全部うまくいきました。

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仮面ライダー変身DXビルドドライバー  その2   2018.5.12

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 ビルドドライバー2例目です。この機種は検出スイッチが弱点のようです。今回もボトルを検出しないという症状で、スイッチを疑いました。前回同様テスターでチェックしたところ接点が導通していませんでした。前回はスイッチ自体を基板から外して分解しましたが、構造が判ったので、今回は分解せず、レバーをラジオペンチで少し引っ張って(下の写真の赤矢印方向)、レバーを外に広げて内部を見えるようにしました。

 やはり内部の電極が真っ黒です。電極は2つあり、レバーを押すとこれが導通するしかけです。黒いのはおそらくゴミと油で固化しているのでしょう、カーボンでは無いでしょうが詳細はわかりません。そのままアルコールをかけても流れてくれません。極細のカッター刃を使って削る感じで黒いゴミを取ります。その後アルコールで流せばできあがり。

 レバーを指でそっと押し込んで戻します。テスターで導通テストをすると良好です。こうしたテストの時はテスターの音響(ブザー)テストが便利です。針に目をやる必要が無く、回路の必要部分を注視できます。また、不完全な導通では、音の鳴り具合で感じがよくつかめます。

 今回はスイッチ6個の内5個が汚れて導通していませんでした。この清掃で全て導通が良好となり、組み立ててテストするとボトルをちゃんと検出しました。

 今回は半田ごては必要無しでした。
 ところで、このスイッチは当初「リミットスイッチ」という名称かと思いましたが、どうやら「検出スイッチ」とか「ディテクタスイッチ」と呼ぶようです。秋月やaliexにも似たようなのが売っています。どんぴしゃは見つかっていません。

 回路図は2018.2.25の報告を御参照下さい

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トミカ 回転エレベーターレーシングセンター  2018.5.12

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 ミニカーを6台、上に運ぶエレベーター。回転して1台ずつ積み込み、上に上がったら回転して降ろし、エレベーターはまた下に降りるという動作をします。回転はするが、上下の動作をしないということで持ち込まれました。動かして見せて頂くとその通りの動きです。

 分解しても特に目立つ故障箇所がないので、時間がかかりそうと考え、お預かりしました。持ち帰って詳細な点検の結果、原因は電池の容量不足ということが判りました。初歩的な点検ミスでした。動作させると確かに回転はするのですが、なぜ上下の動作をしないのか、これはオシロで電源電圧を観測してすぐに判りました。上下動作のモーターを起動すると負荷で電圧が短時間ですががっくり落ちています。その時点でコントローラがリセットしてしまっていたのです。

 電池を調べると3本の単2電池の内、1本が古くなって起電力が落ちています。回転用のモーターはRE130タイプ、上下用はRE140タイプで、起動時の負荷電流がかなり大きくなっているようなのです。

 回路図を起こしてみました。コントローラとHブリッジドライバの制御側電源はR2 100Ωを経由して供給されています。モータードライバには電池から直接供給されています。このR2 100Ωと、100μFでローパスフィルタを構成しています。そこで、R2の前の電圧変化の影響をさらに抑えるために100μFに並列に470μFを設置したところ、この古い電池が混在していても上下動作を開始するようになりました。つまりリセットがかからなくなりました。

 しかし、これは古い電池を使うための改造ではなく、あくまでノイズ等の影響を軽減するのが目的なので、古い電池の混在はまずいことをよく説明することにします。このままだと、早晩液漏れも考えられます。

 持ち込まれる故障原因の最多が電池容量不足ということをまたもうっかり失念していました。

 回転部分の駆動モーターは高速回転と低速回転をするようになっています。これはPWMで実現しています。用途不明なのが、両Hブリッジドライバの8番ピンからコントローラへ1KΩで接続していることと、回転部分の駆動用ドライバの入力ピン(2,3番)だけに入っている1kΩ。出力ピンのはもしかしたら実効電圧のフィードバック用かとも思いましたが、電源電圧を変えるとモーターの回転速度も変化するのでPWMで実効電圧の安定化をしてるようにも見えません。


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えいごであそぼPlanet   ダメでした    2018.4.14

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 旺文社が発売しているそうです。英語で遊ぼうプラネッツといいます。アンパンマンことばずかんと同じです。中身もほぼ同じ感じですが、造りは少し変わっています。基板が2枚に分かれており、音声発生部とイメージ処理部が別です。症状は電源を入れるとランプが光り、スタートメッセージが出るがそれ以後読み取りや電源断もできないということです。

 電源スイッチはプッシュボタンで押す度にON/OFFとなるらしいのです。先端からは赤外線が出ておらず、イメージ処理部が疑われます。オシロで確認すると水晶が発振していません。よくあるリード線切れなら楽勝と、水晶を外してみると1本が根元から折れていました。HC-49Gという平たいリードが付いたパッケージです。さっそくHC-49Sの水晶を付けてみました。しかし、動作しません。オシロで確認すると電源投入後一瞬だけ発振しますが、すぐ止まっています。いろいろと別の水晶にもしてみましたが、ダメでした。


 外部に水晶発振器を接続して強制的に注入しても応答無し。イメージ処理のIC(SN9P700ANG)の不良と判断しました。電源投入後すぐに発振が停止するという症状は他のおもちゃ病院ブログ(ドクターの独り言)でも報告されていて、SN9P700ANGの弱点なのかも知れません。このICはAliexでは扱っていないようで、検索してもヒットしません。アリババでは扱っていますが、我々は手出しできそうにありません。今回は修理不可でお返しします。


re:えいごであそぼPlanet   ダメでした    2018.4.14 Nさん 5/23(水) [編集]

大泉様しばらくです。拝見しました、発振が止まるというのはそういう制御をしている可能性があるということですね。もし次回似た症状のがきたらそれを気にして点検してみます。ただ、点検を終わる前に念のためのハンダ溶かしはやってみたのですが効果無しでした。信号のやりとりまでは見ていませんでした。


re:えいごであそぼPlanet   ダメでした    2018.4.14 大泉茂幸さん 5/23(水) [編集]

つつじが丘おもちゃ病院 大泉です。
久しぶりに覗いてみたら興味ある記事がアップされていて、コメント致します。
このおもちゃにはいつも難儀していますが、少しずつですが進展してはいます。

僕も同様の症状を診ました。電源オン直後はクロック発振するのですが、5秒ほどで停止します。探索の詳細は下記をご覧下さい。
http://tutujith.blog.fc2.com/blog-entry-233.html

パワーオンで動作を開始してから5秒以内にイメージセンサから応答が無いとイメージプロセッサは自らSleepしてしまう、と僕は推測しています。その5秒間にイメージセンサとの信号のやり取りをチェックすると動作状態が切り分けられると思います。上記の事例ではイメージセンサのSEN_SD1から信号が返って来ていませんでした。


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ベネッセ どこでも英語マスター  2018.3.25

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 ベネッセの「英語マスター」という学習おもちゃです。電源を入れると最初はくっきりと画像がでるが、すぐに薄くなって行くという症状です。開いてみても部品は少なく、大きなCOBがあってICやトランジスタがいくつか、あとはチップ抵抗やコンデンサくらいです。可変抵抗器のような物はありません。オシロで観測しながら電源を入れたり切ったりすると、LEDの駆動端子で30Hzくらいの矩形波が最初は大きな振幅で、徐々に小さくなります。しかしその原因となると全く判りません。

 あきらめようとしましたが、折角開いたので念のため半田ごてで少し溶かしてみることにしました。ちゃんと半田付けできているように見えて実は・・と言うケースはこれまでもたびたび経験しています。徐々に変化するというあたりはコンデンサーが怪しいと当たりを付けてみました。

 基板中央から右下寄りのオレンジ色の箱状、その左の丸いの、さらに左下の箱状がそれぞれ、コンデンサとコイル(丸いの)です。あとは小さいのであまりさわる気になりません。念のためこのコンデンサ2個の両端のハンダを溶かしてみました。すると治りました。電源投入後時間が経っても画面は濃いままで、くっきりと見えます。どちらが原因だったのかは判りませんが、治ったのでよしとしました。

 実はこれでだめだったらあきらめてお返しするつもりでした。音声は正常だったので、COBの加熱ショックなどはやりたく有りませんでした。こういうものはおもちゃの顔をしていますが、普通の事務機器と同じで、われわれの手出しすることとは少し違うようにも思えます。


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アンパンマンおしゃべりいっぱいことばずかん  2018.03.25

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 この「ことばずかん」の記事は2017.11.26の日付けで報告した内容とほぼ同じです。読めなくなったということで持ち込まれました。先端をデジタルカメラでのぞきますと赤外線が出ていない。時間がかかりそうと言うことでお預かりしました。赤外線が出ていないのは ①先端のLEDが壊れている ②センサー部のハンダ外れなど、LEDへの配線が途切れている ③LEDの駆動部が動作していない。このどれかとなります。

 LEDは2個あるので①は簡単に除外できます。②はLEDと駆動トランジスタ間の導通をテスタで計れば判ります。③はテスタだけではわかりにくいかも知れません。駆動トランジスタの端子をオシロで見ればすぐ判ります。今回は③もダメでした。こうなるとその前段の画像処理ICの動作です。まず水晶の発振をオシロで確認すると発振が確認できました。すると困ります。再度駆動用のトランジスタをオシロで見るとこんどは波形が出ています。あれ?先端をカメラで見ると赤外線が出ている。先端を本に押しつけると読みます。正常動作です。???

 なんでということでもう一度ルーペであちこち見ると、水晶の根元がおかしい。ピンセットでさわると足が1本折れています。どうもオシロで確認したときにプローブの先端で押さえて、切れていた足が一時的に接続状態になったようです。

 原因さえわかればあとは簡単、前回の症例と同じく別の水晶を取り付けて発振を確認、正常動作まで確認して完了です。

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いっぱいうたおう どうようえほん   2018.2.25

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 どうようえほんという音楽系のおもちゃです。歌とカラオケが30曲仕込まれています。選択は5行、6列のスイッチを押すだけ。メンブレンスイッチと言うそうです。最下行の6曲が鳴ると言うことですので、間違いなくスイッチの配線不良でしょう。

 開いて調べましたが、目視や光の透過でも切れたところは発見できません。そこで、接点がついたシートを外すことにしました。ドライヤーで暖めながらゆっくりと剥がします(写真下)。

 印刷配線部分が露出しましたので導通をチェックすると、各行の横方向に走っているパターンがほぼ全滅です。縦のパターンと交差している部分で切れているようなのです。こうなるとかなり面倒な補修が必要です。そこで、極細の銅線をパターンに沿わせて接着剤で所々固定し、パターンの上で導電性接着剤を使って銅線とパターンの導通を図りました。設置した銅線は計5本。その上から外してあったスイッチ接点がついたシートをかぶせて固定。配線は基板から直接極細銅線に接続しました。

 元に戻してくみ上げると全部正常に鳴るようになりました。このおもちゃは細かい作業の連続で何度もあきらめそうになりました。原因がはっきりしていて根気さえ有ればそれほど難しい修理とは言えないのですが、その根気が年とともに払底しつつあります。


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仮面ライダー変身DXビルドドライバー 2018.2.25 (解決しました)

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 ビルドドライバーの故障はボトル検出のスイッチ接点不良でした。小さいスイッチで、構造も判らないので迷っていましたが、どうせ動かないのなら分解してやれとレバーを抜いてみました。レバーは一体型の支持棒でケースに止められています。ケースを少し横に広げると抜けました。中を覗くと下の写真の様に接点が見えます。すごく汚れていまして接点不良の原因となっていました。アルコールで洗浄して、さらに細い刃で汚れを取ると導通が復活しました。

 早速バラックのままでボトルを入れて見るとしゃべり始めました。組み上げて修理は完了です。
 ところが、くみ上げると何となく動作が不安定です。スイッチを再度調べるともう一方のスイッチが1個粘っていて押さえると戻りが少し遅いのです。こうなると正常な信号が出ないことになります。外してアルコール洗浄しました。粘っていたレバーの動きが軽くなり、くみ上げ後の動作も安定しています。

簡単そうなので回路図も起こしておきました。
スイッチの問題はひとまず解決ですが、名称など情報があったら是非教えて下さい。


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HELP ビルドドライバーの部品

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            写真1

 仮面ライダーの変身ツールでビルドドライバーというおもちゃ(写真1)があります。今回持ち込まれた症状は電源スイッチを入れると音がでるが、ボトルを差し込んでも反応しないというものです。

 ボトルとは写真1の左側に2個有る縦長のものです。これを青矢印の位置に上から差し込みます。2個の差し込み口があり、ボトルは2個入ります。ここにどれを入れるかの組み合わせで、いろんなことをしゃべるらしいのですが全く反応しないと言うことで内部を点検するとボトルの差し込み口それぞれについているスイッチ3個の内1個が(写真2)導通していません。接点不良のようです。

 スイッチは1個づつ分解でき、写真2の青矢印は2個連結の状態、赤矢印は単体の写真です。三角のレバーを押している間だけONになります。
 写真3のボトルの裏にあるキーを見ると、差し込むときにON/OFFで信号を作っているようです。1個のスイッチが常時OFFではダメと言うことになります。

 こんなスイッチは部品屋さんでも見たことがないので、困っています。
 どなたか部品の名前とか入所先などご存じでしたら、是非お教え下さい。コメントでも問い合わせ欄への投稿でも結構です。

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              写真2

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               写真3

スキャンでピッピ!アンパンマンレジスター  2018.2.10

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            写真1                            写真2

 アンパンマンレジスタにはいろいろな機種がありますが、この機種はスキャンで商品を読み取って価格と商品名をしゃべるというのが特徴です。持ち込まれた症状は商品をレジスタにかざしても反応しないというものです。

 このレジスタの分解手順は他機種とほぼ同じですので、参考資料にしておきます。記事の最後に掲載します。当然組み立て手順はその逆を行えば良いと言うことです。
 正面から見ると表示部の下に緑の四角い窓が見えます。そこからレーザー光が出てバーコードを読み取っているという動作を模しています。実際はこの窓の内側にループアンテナがあって、13.56MHzの電波を使ったRFIDで商品情報を読み取ります。反応しないということで、最初はRFIDのモジュールを疑いました。13.56MHzの水晶が発振していないのでこれはダメかもと思ってしまいました。しかし外して調べると水晶は正常、他の水晶を取り付けても同じです。

 結果から言いますと、読み取り動作の起動はRFIDモジュールに商品を近づけることでは無く、台の下部から、表示部の下に赤外線が照射されていて(写真2)これを遮ることで商品がかざされていると認識し、その後RFIDが起動されて情報を読み取るしかけです。
 今回はこの赤外線強度が不足していて起動しなかったのです。県西おもちゃ病院のブログに他メーカーですが、ほぼ同じような症状が報告されています。そこで、赤外LEDの電流を測定、少し増やすと動作を始めることが判りました。測定結果は次の通りです。

① 現状  20mA  動作NG
② 閾値  26mA  これより多い電流値で動作する
③ 設定値 32mA  LEDの電流制限抵抗を120Ω → 120Ωに220Ωを並列追加(写真3)
これで安定して動作します。
 ハンディスキャナには単にスイッチがついていて、商品に押し付けるとランダムに価格をしゃべります。商品名は言いません。このレジスターの動作仕様は以下のようです。

1.レジスタの表示部下に物を入れて赤外線を遮ると、RFIDの読み取り動作が起動される。
2.おもちゃ付属の商品にはRFIDのタグが埋め込まれていて、情報の読み取りが成功するとそれに対応した価格と商品名をしゃべる。
3.手で赤外線を遮ってもRFIDが起動するが、情報は読み取れないので、この場合はランダムな価格だけしゃべる。

 
 写真3 赤外LEDの電流制限抵抗、 写真4 RFID基板とループアンテナ(矢印)



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分解手順

*[PDF書類]

アンパンマンあいうえお教室 2018.1.28

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 アンパンマンあいうえお教室です。しばらく前の事例(2016.6.11の記事をご覧下さい)と同じでした。

 最初、電源の断線で同僚Dr.が担当したのですが、その後キーの調子が悪いと再入院したものです。キーのタッチが不安定で、これは面倒そうだと放置して他のおもちゃを先に修理していました。さて取りかかったのですが、やはり「え」の行が不安定です。フィルムには前例と同じようにへこみがあって、これかと思ったのですが動作する時もあって静電容量方式の感度の問題かとも思いました。

 おもちゃ病院 新津(新潟)のブログで拝見した探査針のやり方で念のため通電を見ると、ほぼ断線状態でした。そこで前回と全く同じくフィルムに導電テープを貼って、そのテープに極細エナメル線で基板から直接配線したところ「え」行の動作も安定しました。

 写真の矢印はテープから基板への極細線の配線で、セロハンテープで固定しています。元の線の上をできるだけなぞっていますが、ややこしいところは直角に他の配線と交差するようにしました。このバージョンはまだメーカーの設計が古いときの物のようです。

アンパンマンはじめてのあいうえお教室  難儀しました 2017.12.9

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 前回の開院日に続いて見かけがそっくりなあいうえお教室が来ました。違いは製造時期で、こちらの方が年代が前の製品です。中身の違いはタッチキーの方式で、前回のは静電センサー方式。この製品は圧力による接触でフイルムの接点がONになるというもの。フィルム印刷した配線が切れていたりすると面倒なので余り好きなものではありません。

 症状は電源を入れてもボツボツという小さな音がスピーカーから聞こえるだけというもの。お預かりしてじっくり見てみましたが、目視では異状は発見できない。COB不良となるとあきらめざるを得ません。ドライヤーで熱風というショック療法も試す必要ありかとCOBをさわりながら電源を入れたり切ったり。するとなんの拍子か、音声が出て動作がスタートしたのです。

 しかしその後も不安定で、COBあたりの基板を指で挟んでいると起動することが多いのです。そこで当たりを付けて電源回路部分にパスコンを追加することにしました。基板の電池がつながっている端子に47μF。するとかなり安定します。次にCOBの直近にある電源のパスコンに並列に0.1μFを付けるとさらに安定しました。このパスコンが容量抜けだったか、ハンダが内部で外れていたのかも知れません。

 修理完了と蓋を閉めて最終テストをすると わいうえお の列だけが反応しません。動作すれば修理完了と思ったのは早計でした。列が反応しないのは明らかにこの列の通電が途切れているからで、順に追いかけるとありました。フィルムの一部に衝撃によるへこみがあり、そこから先に導通がないのです。そこで、基板から直接極細の線を引き出し、フィルムに導電性塗料(ワイヤーグルー)で線を固定しました。裏蓋を閉めて動作チェックすると わいうえお の列もOK。修理は完了しました。

 ところが後日再度テストすると起動しない。愕然としました。またケースを開けてチェックするも原因不明。何度かテストする内に起動し始めました。蓋をして時間をおくとまた動作したりダメだったり。いろんな事をしてみましたが効果無し。ふと思いついたのが電源電圧を変えて見ることです。元々電池3本なので規定は4.5Vとなります。ところが、これだと不安定なのです。少し上げて5Vだと完全にダメです。電源スイッチを切ってもLEDが点灯しています。
 そこで電圧を変化させて起動の様子を調べました。

5V  NG
4.5v NG
4.4V 起動するも動作不安定
4.2V 起動するも動作不安定
4.0V 起動し動作正常
2.5V 起動し動作正常
2.0V 起動するが音声のピッチ(周波数)が下がる。動作は正常
1.8V 起動するも動作不安定
1.6V NG

 つまり2.5V〜4Vが正常動作範囲となります。この結果から電池を1本減らすことにしました。設計からは外れますが、仕方がない。原因はCOBの樹脂の下に隠れている?安定化電源の故障かもしれません。パスコンも異状はなかったのかも。こんなケースは初めてです。

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   写真はフィルム上の印刷配線の切れた部分の先でエナメル線を黒い導電性塗料で固定したところ。乾燥してからセロハンテープで被覆。

 下図は電源部分のみを書き起こしたもので、LEDやタッチセンサーへの配線は省略しています。

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re:アンパンマンはじめてのあいうえお教室  難儀しました 2017.12.9 Nさん 1/27(土) [編集]

大泉様
電圧を変えると動作と言うケースが何度かですか。これからはそれもCOBがNGと言う判定の材料に入れなければなりませんね。延命できればいいというおもちゃ病院的・・結構好きです。


re:アンパンマンはじめてのあいうえお教室  難儀しました 2017.12.9 つつじが丘おもちゃ病院 大泉茂幸さん 1/26(金) [編集]

大泉です。
電源電圧を変えると動作したケースは僕も何度か経験しています。元々LR44が2個だったのですが、BORが頻発する状況で、LR1130を3個に変えました。別のおもちゃではゲートの閾値がズレているようで、嵩上げしたり落としたりして合わせ込んだこともあります。根本的な原因解決ではありませんが延命できればいいと思ってやってます。こういうところがおもちゃ病院的ですよね。


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アンパンマンことばずかん  2017.11.26

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 ことばずかんのタッチペンが動作しないとのこと。起動音声は流れますので、スピーカー関連や、音声作成部分は正常。驚いたのは、「分解したら先端が外れました」というお話し。えっ、分解したの?と驚いたのです。この分解はなかなか決心が要る作業です。なれれば平気なんですが、ネジを外しただけでは取れてくれません。

 先端と言うことはイメージセンサーです。持ち帰ってケースを開くとなるほど外れています。まあ、これだけならと半田ごてを当ててみましたが、ハンダがほとんど乗っていないので、思うように付いてくれません。どうももともとほとんどハンダが無いような状況で、力がかかったらぽろっと外れたと思われます。なんとか付け直しましたが、先端から赤外線が出ていません。基板上のLED駆動のトランジスタにも信号が来ていません。こうなると画像処理のICが動作していないことになります。

 我々が触れるのはICの外部ですから水晶が発振しているかを確認。すると信号無しです。音声処理のICの方は別の水晶がしっかり発振しています。このタイプは水晶が2個あって、画像処理用の16MHz水晶が止まっています。試しに手持ちの10MHzを付けてみました。するとあっさり発振し、赤外線も出て来て、絵本を近づけると読むのです。発振子のサイズは大きいですが、ケースには納まるのでこれを使うことにしました。おそらく周波数が下がったので画像処理のスピードが落ちているでしょうが、使った感じではわかりません。

アンパンマンカラーパソコンスマート  2017.11.26

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 アンパンマンカラーパソコンスマート、2016年12月10日の記事と同じ機種です。今回は画面では無く、キーボードにいくつか反応しないキーがあるとのことで持ち込まれました。

 まず予想するのはキー自体の接触不良、これは開いてみてほこりも入ってないし印刷配線も見た限りでは正常。次に予想される原因はキーボードと本体基板の配線不良です。

 本体基板は表示部の裏にあるため、前面パネルの隠しネジを全部取り去ります。下の写真は磁石でネジ位置を検索し、セロハンテープを貼ってマジックペンで印を付けているところです。全部検索したらドライヤで暖めながら金属ヘラを画面のマスキングシートの下に差し込んでゆっくり剥がします。ネジさえ外せばいいのでできるだけシートの剥離は少なくなるようにします。ネジを全部外すと、上部カバーがとれます。

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 下は本体基板と、キーボード接続部の写真です。順に導通を見ていくと、赤い矢印の部分だけ導通がありません。緑の線ですが、これ自体は正常で、キーボーとの接触部分が十分に接触していない事がわかりました。この部分はフィルムに印刷した導電インクと基板を半田付けでは無く押しつけているだけです。
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 そこで、導通が無い部分に導電性の塗料をほんのわずかに塗布してみたところ正常になりました(写真下)。これですべてのキーが正常動作しました。
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2.4GHz ラジコンが2台   2017.10.22

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 2.4GHzの同じ機種のラジコンが2台。これは偶然です。右側の車を担当したDr.からダメの様だがとセカンドオピニオンを依頼されました。

 送信機は右側が正常です。どうも異常と思われる送信機からは電波が出ていないようです。正常な方の送信機では電波検出器でちゃんと確認できます。

 2.4GHzは当地ではみんな未経験でして機械の中身を見るのも初めてです。送信機にも受信機にも基板の上に無線モジュールが小亀のように乗っています。しかも型番も同じ。XQ-24G-01となっています。相互通信しているのかと思いましたが、受信機側からは全く電波が出ていません。

 久しぶりに押し入れからスペアナを引っ張り出して見てみました。下の写真がその測定画面です。上から正常な方の送信波スペクトラム。2.4GHzセンターで、約5秒の蓄積画像です。周波数ホッピングで150MHzくらいの範囲でいろんな所に出没しています。2番目は基準発振用の水晶(16MHz)の筐体に漏れてくる信号。発振が確認できます。3番目はNGの方の送信機で、10秒近く蓄積しても全く信号がありません。中心の少し上にひとつ出ているのはWiFiの電波を拾ったものです。4番目はNGの方の水晶筐体からの漏れです。つまり、クロック発振はしています。

 この結果からCOB封止樹脂の内部の何かがダメになっていると判断しました。小亀の各端子の電圧は正常な物と同じでした。

 こうなると、我々には全く手が出せません。オーナーさんに説明することにします。今回は同じ機種で比較ができたのでラッキーでした。

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