ドクターNとKの診療室 - はしもとおもちゃ病院2

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ドクターNとKの診療室

アンパンマン はじめてえいご  2017.9.4

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 当ホームページをご覧になって同じ症状では?とお送り頂いたものです。
 電源が入らないということで、点検してみるとスイッチのFET Q2(おもちゃ病院新津に掲載されている回路図を参照)の以降に電圧が来ていません。FETの足をオシロのプローブでさわると衝撃によるものでしょうか、電源が入りました。極めて不安定です。
 スイッチの前段のFETで見るとちゃんと電源スイッチに同期した電圧変化になっている。スイッチのFETを外して見ました。すると基板のゲートのパターンへの電圧が不安定です。

 まさかコンデンサC8がと思いましたが、交換してみました。すると安定します。それならと全部元に戻す段階でQ2の足を折ってしまいました。チップのFETは持っていません。仕方が無いので大きいですが手持ちのパワーMOSFETを取り付けました。
 写真の赤矢印の先がそのFET。水色矢印の先はコンデンサです。取り外した元のチップ型のを黒いICの上に乗せています。どちらも長辺3mmというものです。取り付けたものは巨大です。
 それにしてもこのモデルはコンデンサがよくおかしくなるのでしょうか。お送り頂いたオーナーさんの予想がずばりだったという結果でした。

仮面ライダー変身ベルト ドライブドライバー  2017.8.27

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 仮面ライダードライブドライバーというおもちゃです。仮面ライダーの名は知っていてもテレビの放送は全く見ていないので、これがどんなものなのか想像も付きません。電源スイッチを入れると音はするが、丸い正面の部分が光らないという症状だそうです。

 分解すると回転体があり、LEDが10個付いています。回転しながら光って画像を表示するという仕掛けで、バーサライトというそうです。初めて見ましたが、うまくできています。おもちゃにはいつも感心させられます。これはモーターの軸に回転体が直接固定されていますが、本体との間は非接触です。写真の様にコイルがあり、ケース側の固定コイルとの間で磁気によるエネルギー伝送をしています。それ自体はありふれたもので、我が家のコードレスホン子機も充電器との間は非接触です。測定すると56KHzの電流を流していました。

 回転体の基板に特に目で見える異状はありません。
 モーターの配線を切って動かないようにし、基板の電圧をみたところ、基板には正常に供給されており、基板のレギュレータも問題なし、COBまで正常に届いています。基板の端には位置検出用のフォトトランジスタが接続されていて、これが故障かと思いましたが、正常のもよう。照射用の赤外LEDもデジカメで見ると光っている。
 回転体のCOBが不良かと思いましたが、念のため位置検出の線に別途信号を作って入れて見ました。信号はON 1ms(LOW)、OFF 20ms(HIGH)のパルスで、マイコンICを使って作りました。すると、回転体のLEDが光りました。これで原因は位置検出の信号が正常に入っていなかったということがわかりました。フォトトランジスタの受光側は良さそうなので、照射側の赤外LEDを疑いました。位置を鋭く検出できるように半開き窓が付いたケースに入れてあります。どうも光軸が少し窓の閉じた方に寄っているようなので、一度ハンダを外して付け直して見ました。すると回転体のLEDが光り出しました。検出限度ぎりぎりの所だったようです。


 写真は回転体の裏側のコイルと上端にPT3と書いてある部分がフォトトランジスタ。基板の表側にはCOBとLED10個。左側には電源部がある。コイルの電流を整流してレギュレータを通じてCOB他に供給している。上端のPT2は裏のPT3とつながっているが部品は乗っていない。TR1と表示があるところは、コイルからの電圧を別途検波してその信号をスイッチしてCOBに入れている。これが、外部との赤外通信の受信情報を固定部から受け取るしかけだろう。

 回路図を起こしてみた。回転体側のレギュレータは5ピンの3.3V用と思われる。ところが、他でよく見るものとピン配置が違うようでよくわからない。

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re:仮面ライダー変身ベルト ドライブドライバー  2017.8.27 Nさん 9/11(月) [編集]

お返しするときに、付属の車を持ってきて下さいと頼んでおきました。それがないと写真のように輪が出るだけで、もう一つおもしろくない。というより動作確認ができないのです。ちゃんと持ってきてくれました。私はどうすれば良いのかわからなかったのですが、持ち主であるお子さんはすぐに動かしてくれました。するといろんなもようが出てきて、「おーっ」と言う感じでした。よかった。


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BAKUSOU BIKE   2017.8.12

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 BAKUSOU BIKEという仮面ライダーのベルトに付けるアダプタです。ベルトに差し込んだり、レバーを押すと光って、いろんな音も出るというおもちゃです。子供がジュースをかけてしまって、その後光るが、音が出なくなったというお話しです。

 原因がわかっているので、腐食による配線切れを予想して内部を調べましたが、目立った故障箇所は見えません。そこで、拡大鏡でよく見ると、プリント基板の一部に緑青が出ています。(写真の赤矢印の先。写真はすでに掃除した後)。お預かりしてよく調べると基板のスルーホールが切れて、基板の裏表のパターンに導通が無いことがわかりました。テストでつないでみるとちゃんと音も出るし、光も強くなりました。そこで、細めの線を入れて半田付けし直し、完了となりました。
 基板のパターンは緑の保護塗装で守られていますが、スルーホールの中までは守られていないので、ジュースで溶けてしまったと言うわけです。基板はガラスエポキシで、高級品です。

エルモ(旧型)    2017.7.25

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 エルモは2回目です。前回は電池ホルダの接点が錆びていたと言う内容でした。今回はすぐにわかりました。動かすと寝るところまで行くのですが起き上がらない。モーターが空回りしています。明らかにピニオン割れの症状です。

 分解すると案の定足を動かすモーターに付いているピニオンギアがひび割れしています。このギアは0.6モジュールの8枚歯です。しかも長いギア。モーターの軸のかなり先で次のギアとかみ合っています。
 このギアはよく割れるらしく、他のおもちゃ病院の修理例を拝見すると症例がたくさん出て来ます。結構力のかかるところでもあります。0.5モジュールはギアの予備もそこそこありますが、0.6はまったくありません。仕方なくひび割れしたギアを縛るという修理法でいくことにしました。根元部分にステンレスワイヤを巻いて縛り、ほどけて来ないようにエポキシで固めました。

 テストすると足腰はしっかりしましたが、まだ空回りの音がします。残りは腕のモーターです。こちらも開いてみると、同じようにひび割れです。また縛って固めました。今度は調子よく動きます。ちゃんと立ち上がってから止まります。

RFチェッカー高性能化改造 

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 ラジコン用RFチェッカーを改造しました。これまで100均のボリウムアンプに、赤外線センサーを追加したツールで低周波、赤外線、無線チェッカーとして使っている物です。そこに今回つつじヶ丘おもちゃ病院の大泉様から頂いた3GHzまで検出できるLT5534を乗せた検出モジュールを追加しました。100均アンプの内部は極めて狭いので赤外線検出モジュールは外に出していますが、このRFセンサーはものすごく小さいので収縮チューブで保護して、ケースの内側に貼り付けました。
 このモジュールは電波の強さを対数変換して直流で出力すると言う仕様です。要はAM検波器と言えます。
 おもちゃ病院ではまず受付でこれを使って電波の具合をチェックします。これまでは100均アンプの非直線性を利用した検波でしたが、LT5534を使うと周波数帯が3GHzまでに広がります。

 ラジコンの方式は単純にパルスの数を読んで制御するというものが多く、送信機の電波をAM検波してスピーカーで聴くと、変化の具合などでけっこう様子がわかります。2.4GHzのラジコンはかなり複雑な通信をしているようです。しかし、電波が出ているかどうかはわかりますのでそのチェックはできるはずです。これまで2.4GHzのラジコには遭遇していませんのでまだ未知数ですが、ブルートゥースのマウスを近づけたりすると電波が出ているのがはっきりわかります。

 回路図を添付します。入力部に切り替えスイッチがありますが、これは無線センサーと低周波・赤外センサーの切替です。無線センサーが高感度のため浮遊するいろんな電波を実によく拾います。電波の検出をしようとするとき以外、はっきり言ってうるさいのです。このくらい電波がうようよしているのかと驚くほどです。おもちゃの楽器とかの低周波部チェックの時には邪魔です。
 無線センサーの出力は可変抵抗を通さずにアンプに入れています。LT5534は60dB(電圧で1000倍)の圧縮効果がありますので、アンプ側では固定のゲインで問題ないようです。

 まだこれからいろんな場面で様子を見ながら必要な改造を加えたいと思っています。
 高性能のRFセンサーを提供して頂いたつつじヶ丘おもちゃ病院の大泉様にお礼を申し上げます。
 このセンサーモジュールに付いての情報は次のところをご参照下さい。
http://tutujith.blog.fc2.com/blog-entry-203.html
http://tutujith.blog.fc2.com/blog-entry-200.html

 回路図と、今回頂いたLT5534使用モジュールの特性測定結果です。仕様は50MHz以上と言うことになっていますが、10MHzでも平坦です。上はSG上限の2GHzまで入れてみましたが、わずかに感度が低下しています。


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修理不可2件  2017.7.14

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 最近修理件数が多かったので、それに伴って修理できなかったものも増えました。
 1件目は「ことばのずかん」です。アンパンマンことばずかん とは別物です。ことば ”の” ずかん です。メーカーはベネッセ。なんでこんな似たような名前を付けるのでしょうね。

 アンパンマンのとほぼ同じような造りのペンです。スタートメッセージが出てそれ以後動かないという症状。赤外線が出ていません、しかし水晶は発振しており、イメージ処理のLSIは動作しているようです。しかし、LED駆動の信号が出ておらず、周辺を調べるとコンデンサのいくつかで短絡状態が出ています。外して単体で調べると異状なし。つまり、LSIも含め電源回路までのどこかで短絡しているようです。しかし、発振はしているので、LSIはたぶん大丈夫なのでしょう。大きめのチップは外していくつか点検しましたが、小さいのは手に負えません。やむなく修理不可でお返ししました。

 2件目はカラオケセットです。こちらはCOBの横の水晶(4MHz)が電源ON後約1秒で発振が止まります。いろいろ振動子も交換してみましたが症状は同じです。しかし、何度かやっているとたまに発振が止まらないことがあり、そのときにCOBのあちこちの端子を見ました、でも全く信号無し。外部の発振回路で強制的にクロックを注入しても変化無し。全部品のハンダ溶かし直しも効なし。これも修理不可としてお返しします。

コメント機能復活しました

 

 コメントに気づかず、放置するケースがありまして、しばらくコメント機能を停止していました。コメントがあればメールで通知されるように設定できたので、気づかないということは無くなります。そこで、コメント機能を復活させました。
 これまでのようにご意見をお待ちします。

ラジコン車 ランドクルーザー

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 ランドクルーザーのラジコンカー。前進後退が動作しないという主訴です。左右のハンドル操作は動作します。ラジコンモニターで変調の具合を聞くと、ちゃんと変化していますので送信側はまず大丈夫でしょう。車体を分解して制御基板を露出させます。検査手順通りに基板の電源供給を点検、OK。前後の操作電波を送ってモーターへの供給電圧変化を点検、OK。ということは基板以降モーター側の故障です。
 ここまではモーター駆動のHブリッジ故障を予想していました。Hブリッジは2SB772、2SD882というトランジスタで構成されています。ハンドル操作はTC117です。しかし予想が外れました。次はモーターへの配線、OK。モーター自体か?しかたないので、モーターが入っているギアボックスを分解。すると、モーターのピニオンギア付近に大量のゴミが詰まっているのが見えました。

 ギア全体を分解するとボックス内はさらに大量の砂ゴミで固まってしまっています。動かない直接の原因はモーターのピニオンギアに噛み混んだ砂ゴミでした。モーターだけ外すとちゃんと回ります。
 仕方ない、大掃除です。ギアボックスやギアを水洗いしましたが全く取れない。要はグリースと砂ゴミが固化していたのです。そこで灯油と歯ブラシで洗浄。乾燥させてウエスでさらに残りのゴミを取り除いて終了。あとはグリースをギアに塗って組み立てました。

 モーターの次のギアがかなり砂で削られています。いつ完全にだめになってもおかしくない状況です。全く防塵対策などはなさそうなので、できれば屋外では使わない方が、というアドバイスは付けてお返しすることにします。

ラジコンカー ランボルギーニ  2017.6.25

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 ラジコンカーが動作しないと持ち込まれました。電池容量が不均一に無くなっています。新しい電池を入れると、後退だけダメで、前進とハンドル操作はOKです。こうなると故障箇所はすぐに特定できます。モーター駆動用のHブリッジしかありません。すぐに視認できました。6個のトランジスタの内1個が破裂しています。封止材から完全に飛び出してはいませんが、丸く膨らんでいます。交換してすぐに正常に動作しました。破裂の原因が他にあったということではなさそうです。
 基板を見てあれ?制御ICであるRX-2Bの場所が穴あきになっていて、ハンダ付けはパターン面です。なんのための穴なのか。
 ①DIP型ICのつもりで設計した基板にSOPを実装するために穴を開けてひっくり返した。
 ②昔はでかいDIP型用だった基板の設計をIC部分のサイズだけ縮小してSOPに使えるようにした。
 ③基板を薄くしたかった・・・これは無い。

 さて・・・。

ジュエルポッドプレミアムハート   2017.6.10

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 ジュエルポッドというシリーズがあるようです。子供用のパッドです。電源が入らないと言うことで預かりました。裏蓋を開けると電池ケースの端子にヒューズ(赤矢印の先)が付いていて調べると切れています。原因はわかりませんが試しに500mAのヒューズ線を並列に付けてみました。基板に電源は供給されます。スイッチボタンを押してもヒューズは飛びません。

 青矢印のスイッチはリセットスイッチで、この裏側に同じような形状の電源スイッチがあります。押しますと、その先のダイオードらしき部品(3個の電解コンデンサの左上)の片側まで電圧が観測できます。グレーの樹脂をかぶせた様な部品はインバータの部品かも知れません。しかし多層基板かもしれず、パターンは到底追えません。ここまで精密なものはさわりたくないので、今回はあきらめます。残念ですが、修理不可でお返しします。

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アンパンマンパソコン (分解に苦労) 2017.4.8

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 アンパンマンパソコンのマイクとマウスのコードがぼろぼろになったという状況です。簡単に考えていたのですが、ディスプレイパネルの分解にえらく苦労しました。
 以前他のおもちゃ病院の記事で読んだのですが、隠しネジの発見法で磁石を使うという手があり、小型のネオジム磁石を道具箱に入れていました。これは実にはっきりわかります。ドライヤーで暖めてパネルのシートを剥がしてネジを外しました。ちょうつがいのところの2カ所も外したのですが、パネルが取れない。しかたなく、症例をネットで検索してみました。

 ヒットしたブログにメッセージを入れて質問してみたところ、奈良のおもちゃ病院に情報有りとのメールを頂きました。奈良おもちゃ病院のHPは時々拝見するのですが、今年2月の資料はノーチェックでした。詳しい資料を公開してくれています。
 例によってメッセージを入れるとすぐに返信を頂き、いろいろと懇切なアドバイスを頂きました。そしてそのメールに返信している最中にひらめきました。拝見している資料の写真をよく見たところ、答えが見えていたのです。あとは試したところあっという間に解決しました。
 そこで、私も奈良おもちゃ病院を見習って、資料を残します。私が陥った泥沼を紹介することで、もしかしたら誰かの苦労がなくなればと。

 それにしても、各地のおもちゃ病院で同じ型の製品がコード劣化で持ち込まれている様です。被覆がぼろぼろなのに中の線は丈夫。どうも被覆はウレタン素材の感触です。で、加水分解したのかもしれません。芯線はマイクが3芯、マウスは2芯で、どちらも芯1本あたり5本ほどリッツ線が入っています。ナイロンの芯に細い銅箔を巻き付けたもので、これが5本も。道理で外部被覆がぼろぼろになっても切れないわけです。
 線ごと全部取り替えるのはもったいないので、被覆だけかぶせることにしました。ガラス繊維製の柔らかいパイプを院長からもらいかぶせました。
分解手順です

スーパーオートステーション  2017.4.8

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 タカラトミーのスーパーオートステーションというプラレールとトミカを合わせて発車制御するためのもので、他の部品と組み合わせてレイアウトを作ります。プラレールは自走なので駅に着いたら床から浮かせて車輪を空回りさせることで停車させます。床に降ろせば発車です。トミカはもっと簡単でエスカレーターで上に上げて、ストップバーを降ろせば走り出すという物。これを制御するモードがプラレール、トミカともオートマニュアルの切替があって、別の動きをします。また、発車時にはアナウンスや、発車ベルがなります。

 全く動作しないということで、持ち込まれました。残念ながらスイッチや電源回りの配線の故障では無く、COBのICが全く反応しません。そこで、オーナーさんに出費を承諾して頂き、制御基板を作ることにしました。例によってAVRマイコンで計画しました。入出力の数が多いので、8ピン物では無理で、20ピンのAttiny2313というマイコンを使いました。
 音声の再現は手に負えませんのでご容赦頂き、動きをyoutubeで見て参考にしました。
 発車ベルは単純な音の断続でできるので、搭載しました。

 今回は今までに無く複雑な処理が必要で、プログラムの練習になりました。少しノウハウを増やせたと思います。また久しぶりに物作りをたっぷり楽しみました。
 回路図です(ただし、スイッチ周辺はもとの回路と全く変わっています)

ぴょんぴょん育脳マット 2017.3.11

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 これ実は再入院です。スイッチを入れても電源が入らないということで、前回の開院日にスイッチの接点を交換しました。そのときは正常だったのですが、持って帰るとまたダメになったとのことでした。スイッチは前回接点を交換したので導通は正常。ところが、回路全体に電源が通らない。じっくり見ないとわからないので入院としました。

 調べるとスイッチのあとに自己保持回路があります。たぶん一定時間が経過すると電源が切れるようになっているのでしょう。そこで思い出したのが、先日の「アンパンマンはじめて英語」です。あれも電源スイッチはONのパルスを送って短時間電源を入れて、あとは自己保持するようになっていました。そう思って回路をたどるとほぼ同じ仕掛けでした。使っている半導体はあちらはFETで、こちらはトランジスタですが、思想は全く同じです。そこでスイッチ直後のコンデンサを調べると容量抜けがわかりました。今回はチップではなく円筒型のアルミ電解22μです。手持ちのタンタルコンデンサを入れると、あっさり動くようになりました。

 写真下は回路部分のクローズアップですが黒い円筒型の間の緑色のが交換した22μです(赤矢印)。右端に転がしてあるのが、取り外したアルミ電解(青矢印)です。結果的にダブル障害と言うことで、二度も来てもらうことになりました。
 スイッチ周辺だけ回路図を作りましたので掲載しておきます。

*これを書いてからネットでメーカーのページで取説を見つけたので読みました。無操作10分で省エネモードになって電源ランプ以外は切れるとあります。

回路図

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re:回路図 Nさん 3/14(火) [編集]

大泉さんのご指摘の通りでした。隣のチップと見間違えていました。10Kです。オシロで見ても200ms以上電圧が高い状態です。早速修正しておきました。ありがとうございました。


re:回路図 つつじが丘おもちゃ病院 大泉茂幸さん 3/14(火) [編集]

ベース抵抗の221(220Ω)は小さ過ぎって思いませんか。22uFとの時定数は5ms足らずです。この時間でマイコンが立ち上がらないとは言えませんが、100msくらい余裕を持たせるのが普通だと思います。
また、220Ωだとベース電流が数10mAも流れることになり、変な設計ですよね。


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Yonezawa toys ラジコンロボット 2017.2.26

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 Yonezawa toys のウエーブハンターと書いてあります。米澤玩具という会社でしょうか、今はもう無いメーカーのようです。ラジコンで動くロボットです。動くと言ってもスイッチを入れるとひたすら前進し、コントローラで電波を送るとその間だけ後退に切りかわります。故障は簡単にモーターのピニオン割れで、交換して復旧。ロボットの内部を見られましたので、掲載します。

 写真の2枚目は内部の電子部品等ですが、おもちゃでは余り見かけないリレー(1回路2接点)が付いています。電波を受けるとリレーが動いてモーターの電圧を反転するしかけです。電波は何でも良いわけでは無く、600HzくらいでAM変調をかけると動作します。送信機の電波は変調とは言え、パルスで断続しているような波形です。一応誤動作防止なのでしょう。送信機の代わりに信号発生機で27.145MHzに1KHzでも400Hzでも変調をかけると動作します。送信機は電源スイッチを入れると何もしなくても電波を出していて、電池の006Pがもったいないように思えます。
 なんの動作もしないなら電波を切っておけばいいのに。今時の送信機は電源を入れても操作をしたときだけパルスで変調した電波が出ます。電源スイッチすらない送信機もよくあります。いろいろと変遷してそうなってきたのでしょうね。

 モーター制御も今のおもちゃならIC化したフルブリッジでしょうが、この時代はリレーを使って電池の中点タップとの間の電圧を反転してモーターに供給する方式を採用したようです。ブリキ製とまではいきませんがかなり古い物です。でもしっかりしています。made in japanです



re:Yonezawa toys ラジコンロボット 2017.2.26 つつじが丘おもちゃ病院 大泉茂幸さん 3/13(月) [編集]

このおもちゃのように、初期のラジコンは変調信号の内容に関わらず変調の有無だけで制御しているので、キャリアを止めると超再生がノイズを拾って誤動作を起こし易いのです。今時のラジコンはデジタルコードを送っているので冗長ビットをチェックすることでノイズを拾っても誤動作しません。


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アンパンマンはじめてえいご      2017.2.16

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 アンパンマンおしゃべりいっぱいはじめてえいご。長い名前ですが、要するにタッチ式の英語学習パッドです。電源が入らないと言うことで修理にお送りいただきました。中を見ました。電源スイッチは電源を直接ON/OFFしていません。ということはパソコンと同じで電源を入れるトリガ、切るトリガとしてスイッチを使っています。回路基板を眺めるとすぐに目に付いたのがチップ部品が外れた痕跡です。プリントパターンもはがれた跡があります。スイッチを入れたときにここに電源電圧がかかるはずなのにかからない。

 例によってまたネットを検索するとヒットしたのが、いつもお世話になっているMS工房秋葉(新津)のブログ。どらえもんロボットや、ラジコンカーなど情報をもらいっぱなしです。今回も回路図まで起こしておられたのですぐに動作がわかりました。それによるとコンデンサをとおしてスイッチONの電圧を伝えた後は自己保持し、スイッチを入れっぱなしでも操作しないで1分経過すると電源が切れるようになっています。スイッチを切ったときはその信号が内部に伝わり、内部で切断動作が走るようになっています。

 試しに強制的にコンデンサの後に信号を入れると、起動しました。一安心です。あとはコンデンサの大きさを決める必要がありますが、もしかしたらと先のブログのオーナーDr.にメールを出してお聞きしました。このブログでは別のところが修理対象で、コンデンサの容量は判らないと言うことでしたが、テスト方法をアドバイスしてくださったのでさっそくやってみました。その結果4.7μFで行くことにしました。チップコンデンサは持っていないので、ディップタンタルという大きめの部品です。(写真は基板の上側矢印がコンデンサのはがれた跡、下の矢印は4.7μを付けたところ。緑色なので見にくい)
 テストすると安定してON/OFF動作ができました。


 取説です

恐竜  2017.1.14

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 赤外線リモコンの恐竜です。故障自体は単純で、電池の液漏れによる極板と配線の腐食でした。単3を8本も使っているので極板もたくさんありますが、しかたが無い。不思議なのはこの8本が直列では無く、4本+4本の並列接続だったことです。たぶん消費電流の関係でしょうが、これこそアンバランスな電池を入れたりすると命取りです。  
 分解するとへんな鉄片が2個転がって出て来ました。点検中にからからと音がしたので、何かなと怪しんでいましたが、これでした。正体はしっぽの後ろの方に設置したバランスウエイトで、簡単にホットメルトで止めてあっただけだったので、外れたようです。

 修理を終えて、足を付ける前に動作を確認するために通電してみました。動きます。体をゆするとしっぽまでゆらゆらと揺れます。へびみたいで気持ちが悪いので、早々に打ち切って足も付けました。リモコンでテストしてみました。デモモードというのがあって、一通りの動作をするようです。動画を添付しますのでご覧下さい。やはりどうもあまり気持ちのいいものではありません。ちなみに爬虫類はきらいです。

*[MPEG4動画]

ラジコン車 スバルFRO (JOZEN) 2017.1.14

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 JOZENと言うメーカーのラジコンで、前輪の操舵はできるが、後輪が動かないとして持ち込まれました。カバーを取ってみると、制御基板のケースに大きな穴が空いています(写真上の右)。ケースを開くと基板の一部が黒焦げになっていました(写真下の赤矢印)。ケースの穴はその部分の上に相当するところで、熱で溶けたようです。オーナーさんに聞きましたら、特に発火などはしなかったということですが、ケガがなかったのが幸いでした。

 なかなか派手にこげているのは後輪モータドライブのPMOS-FETで、さわるとぽろっと取れてしまいました。跡は基板が炭化していて配線のパターンなど全く無くなっています。それでもそのための電流もれも特にないようです。
 代替のPMOS-FETを取り付けるのに、別基板にしようかとも思いましたが、ケースに収まりそうに無く、基板を眺めていると予備のモジュール設置用の空きエリアが目にとまりました。
これはこげたモジュールの横にもありまして、合計4個のPMOS-FETを乗せられる設計になっているのです。こげた部分とその隣は使えませんので、残ったモジュールの隣(写真右下端)に設置することを考えました。配線はそのままでは使えませんので、改造するために、まず回路図を起こしました。基板から回路図を起こすのはどうも苦手です。全体を回路図にするのが良いのですが、根気が伴いません。出力部のみをやっと回路図にしたら、あとは配線するだけです。配線は写真では見えない裏側にしています。

 でき上って目視点検をし、電流計を入れておそるおそる電源をつないでみました。ショートはしていないようです。送信機で前後の操作をすると、電圧が反転して出て来ます。各部の電圧も正常です。モータをつなぐと正常に動作しました。修理完了です。

中華製モータードライバIC

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 中華製のモータードライバを買ってみました。先日修理したプラレールアドバンスの中に入っていたドライバICが1個でHブリッジを形成しているものでした。同じ物をAliExpressで探しましたがないので、H-bridgeで検索すると出てきたのが、L9110というICです。表面実装用のSOPパッケージは使いにくいので、大きい8ピンDIPのを探しました。10個で2〜3.5US$という値段です。
 このICは3.2V〜12Vの電源で、出力は連続で800mA、ピークで2Aとなっています。制御入力はTTL,CMOSレベルコンパチブルで、マイコンICを直結できるとなっています。

 写真右は8ピンのマイコンICでこのモータードライバをテストしているところです。4Vくらいの電源を加えています。
 制御入力に応じて順調に回転方向が切りかわります。モーターに加わる電圧は電源から1Vくらい下がっています。送料込みの値段ですので1個40円弱、おもちゃ修理には十分使えそうです。

ムシキング  (ヘラクレスオオカブト)  2016.11.27

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 ムシキングというリモコンで動作するおもちゃ。ヘラクレスオオカブトですね。前進と右旋回をするはずなのですが、前進がカチャカチャと振動するばかりで空回りします。
 最大の難点は分解方法がわからないことでした。写真の茶色い甲羅はすぐに外れたのですが、その前の角が付いたかぶと部分が外れません。ギアのあるケースを分解するにはこのかぶとの下にあるビスを緩めないとならないのですが、取れないのです。
 いつものようにネットで検索すると2箇所のおもちゃ病院で修理記事が見つかり、早速問い合わせを出しました。千葉のおもちゃ病院ではまっすぐ上に抜けば抜けるはずとのご回答をいただきましたが、かなり力を加えてもダメでした。もう1箇所のおおさかおもちゃ病院からは差し込んである柱が接着されているので、抜けないはずだとの情報をいただきました。おそらく製造年により方法が変わったのではないかとのことでした。これであきらめが付きましたので、あっさり柱をのこぎりで切りました。写真下左がかぶとの下のケースを開いた所です。

 ピニオンが1個割れており(下左の写真で斜めに置いてあるギア)交換しました。ところが、動作は改善したものの足を地に付けるとやはり空回りします。不具合部はクラッチギアで、これが滑っているようです。油分を洗浄しましたがダメ。そこで、クラッチの当たりを強くする方法を採りました。写真下右の矢印の先がそれです。エナメル線を軸に巻き、スプリングを3分の2くらいに縮めました。これであまり滑らなくなり、地に足を付けても前進、右旋回ができるようになりました。
 再発した場合は別のムシから部品取りをするしかないかもしれません。今回もまた先輩諸氏に助けられてなんとかなりました、ありがとうございました。


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