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ドクターNの診療室

CCPラジコン ハマー  反省です   2018.9.30

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 今回は反省の話です。動かないと持ち込まれたラジコンハマー。受付でまずは送信機の確認、40MHZです。チェッカーで受信すると、制御の音が聞こえます、問題なし。次は車本体、裏蓋を開けて電池をチェックします。単3が3本。一瞬?と思いましたがまあチェック。電圧はそこそこあります、しかし動かない。時間がかかりそうなので、お預かりしました。

 自宅で車体外殻を外して、内部の回路部分を露出させました。CCPのハマーなので見たことのある基板です。送信機を操作しながら各部の電圧変化をチェックすると、モーターにかかる電圧がやたら低いので動かないようです。操舵の方は、モーターの音が少し聞こえます。

 HブリッジのFETまでは信号が来ています。これはモータードライブのFETが故障かと疑いました。しかしモーターを外すとFETの電圧も正常です。電源ラインの抵抗が大きくなっているかもと錆などを疑いました。そこで、バッテリーケースの配線を追いかけてケースが外れることが判明。

 外したバッテリーケースが下の写真です。ここで初めてケースの裏にも電池があることに気づきました(写真右)。つまり電池は6本だったのです。チェックすると電池3本とも完全に空っぽ。1本など逆電圧が発生しています。後ろから無理に電流を流すとこうなります。

 さっそく正常な電池3本を入れると、あっさり動作しました。故障では無く、原因で最多の電池切れだったという結論です。表から見える3本だけまともだったので、オーナーさんも3本仕様と勘違いなさったようです。第一印象の「3本?」という疑問をもっと大事にすべきでした。反省です。

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ゲームロボ50        2018.9.8

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 ゲーム機です。ゲームロボ50 という名称で、顔のようなデザインになっています。症状は右下の 9 が点灯しない。左上にある数字2桁表示のうち、右側が表示しないというもの。

 

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 ケースを開いて基板を見ました。表示用のトランジスタが壊れているかと思って基板を眺めると、7セグメントLEDの裏にあるトランジスタのベースにつながっている抵抗が無い(写真下)。隣の抵抗には102と有りますので、1kΩ。トランジスタは2TYなので、たぶん8550(PNP)でしょう。そういえば、ゲーム機を落としたとか言ってました。それにしてもそんなショックでチップのハンダが外れるというのはなんでしょうか。
 手持ちの1kΩを取り付けるとあっさり点灯しました。

 もう一点は数字の9の下にある緑のLED、これはどうもLEDそのものの不良の様です。チップ型のLEDは手持ちが無い。泥縄で隣国に発注しました。1608サイズのチップLED5色×20個で送料込み1米ドル、1個1円ちょっとです。でも2週間かかります。

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 このサイズ(抵抗も同じ)はほんとに小さいので、顕微鏡下での半田付けです。固定するピンセットの先がほんの少し外向きに曲がっていたようで、挟むとすぐにチップがぱちんと外れて飛んでいきます。2個飛ばしてやっと先端の曲がりに気づきました。飛ばしてしまったのは行方不明です。やっと半田付けしたらきれいに光りました。修理完了です、うれしいことに飛んでいったチップLED2個もその後周辺から見つかりました。

(上の基板写真で丸い枠がない方は修理完了後に撮影した物で、1kΩが付いた状態です。)

どうようクラシック名曲ピアノ絵本  2018.9.8

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 ポプラ社の どうようクラシック名曲ピアノ絵本。開くと鍵盤の横幅が広くなります。まったく音が鳴らないと言うお話しです。まあ、クロックが発振していないかもと、中を開けてみますと昔の時計用みたいな円筒型の水晶がありました。これを外して、手持ちの10MHzを付けると音が鳴ります。クロックの発振不良でした。

 しかし、周波数が判らない。お預かりして他のおもちゃ病院の記事を検索すると見つかりました。茨城・県西おもちゃ病院の8年前の記事です。ここの写真にくっきりと周波数が出ています。16.384MHzです。手持ちがないので、他の周波数で代替して動作確認に入りますと、どうも動きがおかしい。動作したり、しなかったりと不安定なのです。オシロで観測すると、クロックが発振したりしなかったりという状況が見えました。

 さらに記事を検索すると、類似した記事がまたもや上記おもちゃ病院のブログにありました。今度は4年前のファンファンキーボードの記事です。クロック発振が不安定なので、外部発振器から注入したら安定したと言う内容です。10MHzなら発振器がありますので、入れて見るとなるほど動く。

 ということで、方針は決まりました。しかし部品がないので、中国サイトを調べるとSMDの発振器で16.384MHzが5個$5弱で出ています。オーナーさんに了解を得て、発注。2週間で届きました。下の写真が基板に発振器を裏返して取り付けた写真です。その下は発振器の表側の写真です。5mm×7mmというサイズです。

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  ところが、めでたしとはなりませんでした。動作しないキーがいくつかあります。やむなく回路を追いかけてみますと、配線は切れていないがICが反応していないのです。面倒ですが、回路図を起こしました。
 すると、縦と横のマトリクスで構成された内の3本が動作していないことが判りました。マトリクスは8×8の構成で、そこにダイオードとスイッチがあって54種類の動作を検出します。回路図と、キーの構成表は別に掲載します。このうちの3本に関係するスイッチが合計15動作していません。子基板までは配線切れが無いことを確認しました。あとは子基板の上の配線でICを覆う樹脂までが正常かどうかです。

 下の写真は顕微鏡で基板を確認しているところで、赤矢印が問題の配線の1本です。ところが、3本とも導通は正常で、樹脂の内部で異常が起きている可能性が高いことが判りました。鍵盤は11個がだめなので演奏は無理です。オーナーさんは鍵盤より搭載されたメロディを使えればいいということで、このまま進め、修理完了としました。


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スイッチと入出力ポートの接続表、回路図です *[PDF書類] *[PDF書類]

2.4GHz CCPラジコン ハマー  2018.8.12  

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 CCPのラジコン車で、2.4GHzタイプです。前進しないという症状から、その後電源ON後のペアリングもできなくなったということです。とりあえずチェッカーで送信機の電波は確認できました。受信側ということで、開いてみると、防水のはずの本体内部にかなり水が溜まっていて、そのせいで基板が見事に錆びています。2枚目の写真で左上部の子基板が無線とデコーダーなどが入ったモジュールです。親基板との接続部が錆で覆われています。親基板にはモータードライブのHブリッジが乗っているだけです。

 よく見ると下部中央のHブリッジ(赤矢印)が割れています。周辺の錆やゴミを清掃して無線基板を外して見ました。なんとかこの辺は大丈夫そうなので、Hブリッジの部品の手持ちもないので入院としてお預かりしました。

 帰宅後ICを外して拡大鏡で確認するとMT4607というPNチャンネルMOSFETということがわかり、手持ちの中から東芝のTPC8406で代替することにしました。

 錆を落として無線基板を付け直した状態で、テストすると問題なくペアリングと前輪の操作ができました。後輪用のHブリッジを取り付け、テストすると正常に電圧が出たのでモーターの配線も取り付けて修理完了です。

 故障の原因は錆の部分で短絡し、Hブリッジに異常な制御電圧がかかったため、FETに大きな電流が流れてしまったと言うことかもしれません。前に扱った事例ではここから火を噴いて、ケースや基板まで焦げてしまったというのがありました。(2017.1.14)

 この手のラジコン車はつい、水の中とか泥の中を走らせてしまいがちなのでしょう。いい加減な防水は、入った水が乾燥すること無く基板など金属部分を腐食するという結果になることを、お返しするときに説明します。

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おしえてトーマス   2018.6.24

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 おしえてトーマスという知育おもちゃですが、音が出なくなったと言うことで持ち込まれました。分解に手間取りましたが、メンブレンスイッチを外して内部を露出しました。

 まず、スピーカーの点検は、問題なくOK。電源部分はバッテリケースにも錆は無く、ケーブルも異状なしで基板までちゃんと供給されています。簡単な基板で、COBと、水晶、トランジスタ1個という内容です。トランジスタの故障かと思いましたが、これもOK。トランジスタはスピーカーのドライブ用でした。スイッチング用としての使い方で、おそらくPWMで音を出しているのではないかと予想します。

 メンブレンスイッチは2枚、したがってキーもたくさんあります。電源ON/OFFもこれに含まれています。電池を入れた状態で水晶の横にあるテストポイントをチェックすると、電源スイッチを押していない状態でも正弦波が見え、発振が確認できます。周波数は4MHzで水晶の表示と符合しています。しかし、メンブレンスイッチのスキャンをするはずの信号がどこにも出ていないのです。親切な基板で、スイッチとの接続ポイントが総てチェックポイントとして基板に出ています。

 いろいろとやってみました。外部電源で3Vを中心に±1V程度変動させて見ると、少し低い電圧だと電源スイッチを入れていないのに発振が確認できます。3Vちょうどだと発振はしていません。電流も消費しておらず、電源コントロールのメンブレンスイッチに3Vが来ています。スイッチの両端子を軽くショートさせると水晶が発振し始めました。ここまでは正常に見えます。ところが、この段階でも音声回路には信号は出ないし、スイッチの各チェックポイントはグランドレベルの電圧となってなんの信号も出て来ません。リセットも効果無しでした。

 千葉県鎌ヶ谷市のおもちゃドクターのブログに記事が出ていたのでお聞きしたところ、早速お返事を頂きました。しかしだいぶ前の事例であり、記録も残っていなかったということでした。残念ですが今回は修理不可でお返しします。


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re:アンパンマンおしゃべり動物図鑑 コメント続き

大泉様 おお、そうですね。これはうっかりしていました。早速実験です。以下Vfの実測値です。
OSI5LA3131A(940nm)  1.179V
OSI3CA3131A(850nm)  1.437V
ペンに付いていたLED  1.408V

LEDには定電流電源で20mAを加えています。Vfは電流値でけっこう変化しますが、カタログみたいに大電流を加えるのはいやなので少なくしています。上記型名のメーカー資料(OptoSupply)では、OSI5LAが100mAで1.6V、OSI3CAが50mAで1.6Vとなっています。すごいですね、前者のは絶対最大電流が100mAとなっていて、そのときの電圧とか、発光波長などが資料として掲載されています。

さらに調べていて、秋月のページにおもしろいことが書いてあるのに気づきました。850nmのLEDは可視スペクトラムを含むので、暗いところで見れば赤く光って見えると。OSI3CAのは赤く見えます。ペンのも試してみるとわずかに見えました。Vfと見え方、この2点の特徴から間違いなく850nmのLEDで良いと言うことが判明しました。ただし、ペン装着状態では点灯時間がごく短いパルスなので、暗闇でも肉眼では見えません。



re:re:アンパンマンおしゃべり動物図鑑 コメント続き 大泉茂幸さん 6/23(土) [編集]

つつじが丘おもちゃ病院 大泉です。
ご確認有難う御座いました。これでスッキリしました。


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アンパンマンおしゃべり動物図鑑      2018.6.9

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  アンパンマンことば図鑑のシリーズで動物図鑑。このタイプのペンを見るのは初めてなので記録を残しておきます。

 症状はオープニングメッセージは出るが、絵本を読み取れないというもの。先端をデジカメで観察すると、2個のLEDの内1個が光っていない。光らない原因はまだわかりませんが、読み取らない原因はおそらくこれでしょう。

 持ち帰って調べると駆動部は正常でした。LED自体の故障です。手持ちの赤外LEDは5mmφばかりで、ここに使われている3mmφのはありません。和歌山おもちゃ病院のDr.がついでがあるからと日本橋で買ってきてくれ、郵送してくれました。送って下さったのは850nm、940nmという2種類の波長のLEDです。

 さて、どちらを使うべきか。肉眼では見えないので、頼りはデジカメ画像です。まず、20mAほど流して両方のLEDをデジカメで見てみました。940nmの方はかなり暗く、850nmの方は割合はっきり見えます。そこで、短波長の方を取り付けて見ました。カメラで確認すると元から付いていた正常な方のLEDとよく似た見え方です。(写真下 左側)。テストすると順調に読み取ります。せっかく送って下さったので、940nmの方でもテストしてみました。デジカメでの見え方は非常に暗いですが光っていることは確認できます(写真下 右側)。読み取りテストの結果はダメでした。シリーズの他のタイプでは片側LEDでも結構読み取るケースが多かったのですが、このタイプはダメの様で、2個で照明しないと読み取りません。センサーの特性などもあるのでしょう。ということで、850nmのLEDを付け直して修理完了としました。

 先端の読み取りセンサーは他のシリーズのとは違って、黒いモジュールで固めた構造では無く、保護部を外すとLED部が露出しています。また、10ピンのコネクタでつながっていて、抜き差しができます。センサーのピン結を載せて置きます。

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re:アンパンマンおしゃべり動物図鑑      2018.6.9 大泉茂幸さん 6/23(土) [編集]

つつじが丘おもちゃ病院 大泉です。
LEDの波長はVfを測れば判別できます。
850nmは1.6V、940nmは1.35Vが標準値です。
正常だった方のVfは何Vでしたか。


re:アンパンマンおしゃべり動物図鑑      2018.6.9 Nさん 6/22(金) [編集]

そうですね。おそらくイメージプロセッサと同じくSONIX製かと思ってホームページを見ましたがこういう形のはありませんでした。他の形のでもセンサーの波長に対する感度特性などは見当たらず、どんな照明が最適なのかはよくわかりません。ひとかたまりになっていて、修理で別物のパーツを当てるというような事態は想定されていないでしょうから。


re:アンパンマンおしゃべり動物図鑑      2018.6.9 田中さん 6/22(金) [編集]

こんにちは。
LEDの型式情報と放射角のアドバイスありがとうございます。

短波長のみOKなのはイメージセンサの特性によるものかと推測しました。

今後の活動に活用させていただきます。
ありがとうございました。


re:アンパンマンおしゃべり動物図鑑      2018.6.9 Nさん 6/22(金) [編集]

投稿ありがとうございます
LEDの型名は次の通りです
OSI3CA3131A   850nm 30°
OSI5LA3131A   940nm 30°
大きさは3mmφです。波長さえ同じなら他のものもOKかと予想します。ただし、放射角は余り広くない方が良いと思います。


re:アンパンマンおしゃべり動物図鑑      2018.6.9 田中さん 6/22(金) [編集]

はじめまして。
おもちゃ修理の勉強中です。

赤外線LEDの両方の型式が分かれば教えていただけないでしょうか。
よろしくお願いします。


re:アンパンマンおしゃべり動物図鑑      2018.6.9 Nさん 6/21(木) [編集]

SN9P701FG-303となっています。
48ピンです。ネットでデーターシートが見つかります。


re:アンパンマンおしゃべり動物図鑑      2018.6.9 大泉茂幸さん 6/21(木) [編集]

つつじが丘おもちゃ病院 大泉です。

基板画像ではイメージプロセッサは48ピンのように見えますが、データシートが公開されているものだと有難いです。型番を教えて下さい。


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キーボード      2018.6.9

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 特にキャラクターの名前の付いていないキーボードです。全然音が出ないということで持ち込まれました。当初目視では特に異状が見つけられず、持ち帰って原因を調べることにしました。基板に電源が供給されていません。電池からの配線は良いみたいです。このキーボードは基板がたくさんに分かれていて、フラットケーブルで接続されています。電源基板まではOKなのですが、次のメイン基板に来ていません。

 ルーペで詳しく観察するとプリントパターンにくすんだ部分がありました(赤矢印の先)。保護の青い塗料をカッターで剥がしてみると、パターンが腐食されて切れていました。保護の青い塗料の下なので簡単な目視では見つかりません。これを別線で接続すると、ちゃんと音が出ました。

 しかし、キーボードのたくさんあるボタンの内、水色の左側の3個が動作しません。オシロで観察すると信号が来ていない部分があります。疑わしいパターンをルーペで追うと、またくすんだ部分がありました。写真下の赤矢印の先がそうです。やはり腐食によるパターン切れです。製造工程がいい加減なのがよくわかります。これも塗料を剥がして接続し直すとこんどは全部うまくいきました。

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仮面ライダー変身DXビルドドライバー  その2   2018.5.12

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 ビルドドライバー2例目です。この機種は検出スイッチが弱点のようです。今回もボトルを検出しないという症状で、スイッチを疑いました。前回同様テスターでチェックしたところ接点が導通していませんでした。前回はスイッチ自体を基板から外して分解しましたが、構造が判ったので、今回は分解せず、レバーをラジオペンチで少し引っ張って(下の写真の赤矢印方向)、レバーを外に広げて内部を見えるようにしました。

 やはり内部の電極が真っ黒です。電極は2つあり、レバーを押すとこれが導通するしかけです。黒いのはおそらくゴミと油で固化しているのでしょう、カーボンでは無いでしょうが詳細はわかりません。そのままアルコールをかけても流れてくれません。極細のカッター刃を使って削る感じで黒いゴミを取ります。その後アルコールで流せばできあがり。

 レバーを指でそっと押し込んで戻します。テスターで導通テストをすると良好です。こうしたテストの時はテスターの音響(ブザー)テストが便利です。針に目をやる必要が無く、回路の必要部分を注視できます。また、不完全な導通では、音の鳴り具合で感じがよくつかめます。

 今回はスイッチ6個の内5個が汚れて導通していませんでした。この清掃で全て導通が良好となり、組み立ててテストするとボトルをちゃんと検出しました。

 今回は半田ごては必要無しでした。
 ところで、このスイッチは当初「リミットスイッチ」という名称かと思いましたが、どうやら「検出スイッチ」とか「ディテクタスイッチ」と呼ぶようです。秋月やaliexにも似たようなのが売っています。どんぴしゃは見つかっていません。

 回路図は2018.2.25の報告を御参照下さい

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トミカ 回転エレベーターレーシングセンター  2018.5.12

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 ミニカーを6台、上に運ぶエレベーター。回転して1台ずつ積み込み、上に上がったら回転して降ろし、エレベーターはまた下に降りるという動作をします。回転はするが、上下の動作をしないということで持ち込まれました。動かして見せて頂くとその通りの動きです。

 分解しても特に目立つ故障箇所がないので、時間がかかりそうと考え、お預かりしました。持ち帰って詳細な点検の結果、原因は電池の容量不足ということが判りました。初歩的な点検ミスでした。動作させると確かに回転はするのですが、なぜ上下の動作をしないのか、これはオシロで電源電圧を観測してすぐに判りました。上下動作のモーターを起動すると負荷で電圧が短時間ですががっくり落ちています。その時点でコントローラがリセットしてしまっていたのです。

 電池を調べると3本の単2電池の内、1本が古くなって起電力が落ちています。回転用のモーターはRE130タイプ、上下用はRE140タイプで、起動時の負荷電流がかなり大きくなっているようなのです。

 回路図を起こしてみました。コントローラとHブリッジドライバの制御側電源はR2 100Ωを経由して供給されています。モータードライバには電池から直接供給されています。このR2 100Ωと、100μFでローパスフィルタを構成しています。そこで、R2の前の電圧変化の影響をさらに抑えるために100μFに並列に470μFを設置したところ、この古い電池が混在していても上下動作を開始するようになりました。つまりリセットがかからなくなりました。

 しかし、これは古い電池を使うための改造ではなく、あくまでノイズ等の影響を軽減するのが目的なので、古い電池の混在はまずいことをよく説明することにします。このままだと、早晩液漏れも考えられます。

 持ち込まれる故障原因の最多が電池容量不足ということをまたもうっかり失念していました。

 回転部分の駆動モーターは高速回転と低速回転をするようになっています。これはPWMで実現しています。用途不明なのが、両Hブリッジドライバの8番ピンからコントローラへ1KΩで接続していることと、回転部分の駆動用ドライバの入力ピン(2,3番)だけに入っている1kΩ。出力ピンのはもしかしたら実効電圧のフィードバック用かとも思いましたが、電源電圧を変えるとモーターの回転速度も変化するのでPWMで実効電圧の安定化をしてるようにも見えません。


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えいごであそぼPlanet   ダメでした    2018.4.14

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 旺文社が発売しているそうです。英語で遊ぼうプラネッツといいます。アンパンマンことばずかんと同じです。中身もほぼ同じ感じですが、造りは少し変わっています。基板が2枚に分かれており、音声発生部とイメージ処理部が別です。症状は電源を入れるとランプが光り、スタートメッセージが出るがそれ以後読み取りや電源断もできないということです。

 電源スイッチはプッシュボタンで押す度にON/OFFとなるらしいのです。先端からは赤外線が出ておらず、イメージ処理部が疑われます。オシロで確認すると水晶が発振していません。よくあるリード線切れなら楽勝と、水晶を外してみると1本が根元から折れていました。HC-49Gという平たいリードが付いたパッケージです。さっそくHC-49Sの水晶を付けてみました。しかし、動作しません。オシロで確認すると電源投入後一瞬だけ発振しますが、すぐ止まっています。いろいろと別の水晶にもしてみましたが、ダメでした。


 外部に水晶発振器を接続して強制的に注入しても応答無し。イメージ処理のIC(SN9P700ANG)の不良と判断しました。電源投入後すぐに発振が停止するという症状は他のおもちゃ病院ブログ(ドクターの独り言)でも報告されていて、SN9P700ANGの弱点なのかも知れません。このICはAliexでは扱っていないようで、検索してもヒットしません。アリババでは扱っていますが、我々は手出しできそうにありません。今回は修理不可でお返しします。


re:えいごであそぼPlanet   ダメでした    2018.4.14 Nさん 5/23(水) [編集]

大泉様しばらくです。拝見しました、発振が止まるというのはそういう制御をしている可能性があるということですね。もし次回似た症状のがきたらそれを気にして点検してみます。ただ、点検を終わる前に念のためのハンダ溶かしはやってみたのですが効果無しでした。信号のやりとりまでは見ていませんでした。


re:えいごであそぼPlanet   ダメでした    2018.4.14 大泉茂幸さん 5/23(水) [編集]

つつじが丘おもちゃ病院 大泉です。
久しぶりに覗いてみたら興味ある記事がアップされていて、コメント致します。
このおもちゃにはいつも難儀していますが、少しずつですが進展してはいます。

僕も同様の症状を診ました。電源オン直後はクロック発振するのですが、5秒ほどで停止します。探索の詳細は下記をご覧下さい。
http://tutujith.blog.fc2.com/blog-entry-233.html

パワーオンで動作を開始してから5秒以内にイメージセンサから応答が無いとイメージプロセッサは自らSleepしてしまう、と僕は推測しています。その5秒間にイメージセンサとの信号のやり取りをチェックすると動作状態が切り分けられると思います。上記の事例ではイメージセンサのSEN_SD1から信号が返って来ていませんでした。


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ベネッセ どこでも英語マスター  2018.3.25

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 ベネッセの「英語マスター」という学習おもちゃです。電源を入れると最初はくっきりと画像がでるが、すぐに薄くなって行くという症状です。開いてみても部品は少なく、大きなCOBがあってICやトランジスタがいくつか、あとはチップ抵抗やコンデンサくらいです。可変抵抗器のような物はありません。オシロで観測しながら電源を入れたり切ったりすると、LEDの駆動端子で30Hzくらいの矩形波が最初は大きな振幅で、徐々に小さくなります。しかしその原因となると全く判りません。

 あきらめようとしましたが、折角開いたので念のため半田ごてで少し溶かしてみることにしました。ちゃんと半田付けできているように見えて実は・・と言うケースはこれまでもたびたび経験しています。徐々に変化するというあたりはコンデンサーが怪しいと当たりを付けてみました。

 基板中央から右下寄りのオレンジ色の箱状、その左の丸いの、さらに左下の箱状がそれぞれ、コンデンサとコイル(丸いの)です。あとは小さいのであまりさわる気になりません。念のためこのコンデンサ2個の両端のハンダを溶かしてみました。すると治りました。電源投入後時間が経っても画面は濃いままで、くっきりと見えます。どちらが原因だったのかは判りませんが、治ったのでよしとしました。

 実はこれでだめだったらあきらめてお返しするつもりでした。音声は正常だったので、COBの加熱ショックなどはやりたく有りませんでした。こういうものはおもちゃの顔をしていますが、普通の事務機器と同じで、われわれの手出しすることとは少し違うようにも思えます。


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アンパンマンおしゃべりいっぱいことばずかん  2018.03.25

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 この「ことばずかん」の記事は2017.11.26の日付けで報告した内容とほぼ同じです。読めなくなったということで持ち込まれました。先端をデジタルカメラでのぞきますと赤外線が出ていない。時間がかかりそうと言うことでお預かりしました。赤外線が出ていないのは ①先端のLEDが壊れている ②センサー部のハンダ外れなど、LEDへの配線が途切れている ③LEDの駆動部が動作していない。このどれかとなります。

 LEDは2個あるので①は簡単に除外できます。②はLEDと駆動トランジスタ間の導通をテスタで計れば判ります。③はテスタだけではわかりにくいかも知れません。駆動トランジスタの端子をオシロで見ればすぐ判ります。今回は③もダメでした。こうなるとその前段の画像処理ICの動作です。まず水晶の発振をオシロで確認すると発振が確認できました。すると困ります。再度駆動用のトランジスタをオシロで見るとこんどは波形が出ています。あれ?先端をカメラで見ると赤外線が出ている。先端を本に押しつけると読みます。正常動作です。???

 なんでということでもう一度ルーペであちこち見ると、水晶の根元がおかしい。ピンセットでさわると足が1本折れています。どうもオシロで確認したときにプローブの先端で押さえて、切れていた足が一時的に接続状態になったようです。

 原因さえわかればあとは簡単、前回の症例と同じく別の水晶を取り付けて発振を確認、正常動作まで確認して完了です。

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いっぱいうたおう どうようえほん   2018.2.25

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 どうようえほんという音楽系のおもちゃです。歌とカラオケが30曲仕込まれています。選択は5行、6列のスイッチを押すだけ。メンブレンスイッチと言うそうです。最下行の6曲が鳴ると言うことですので、間違いなくスイッチの配線不良でしょう。

 開いて調べましたが、目視や光の透過でも切れたところは発見できません。そこで、接点がついたシートを外すことにしました。ドライヤーで暖めながらゆっくりと剥がします(写真下)。

 印刷配線部分が露出しましたので導通をチェックすると、各行の横方向に走っているパターンがほぼ全滅です。縦のパターンと交差している部分で切れているようなのです。こうなるとかなり面倒な補修が必要です。そこで、極細の銅線をパターンに沿わせて接着剤で所々固定し、パターンの上で導電性接着剤を使って銅線とパターンの導通を図りました。設置した銅線は計5本。その上から外してあったスイッチ接点がついたシートをかぶせて固定。配線は基板から直接極細銅線に接続しました。

 元に戻してくみ上げると全部正常に鳴るようになりました。このおもちゃは細かい作業の連続で何度もあきらめそうになりました。原因がはっきりしていて根気さえ有ればそれほど難しい修理とは言えないのですが、その根気が年とともに払底しつつあります。


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仮面ライダー変身DXビルドドライバー 2018.2.25 (解決しました)

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 ビルドドライバーの故障はボトル検出のスイッチ接点不良でした。小さいスイッチで、構造も判らないので迷っていましたが、どうせ動かないのなら分解してやれとレバーを抜いてみました。レバーは一体型の支持棒でケースに止められています。ケースを少し横に広げると抜けました。中を覗くと下の写真の様に接点が見えます。すごく汚れていまして接点不良の原因となっていました。アルコールで洗浄して、さらに細い刃で汚れを取ると導通が復活しました。

 早速バラックのままでボトルを入れて見るとしゃべり始めました。組み上げて修理は完了です。
 ところが、くみ上げると何となく動作が不安定です。スイッチを再度調べるともう一方のスイッチが1個粘っていて押さえると戻りが少し遅いのです。こうなると正常な信号が出ないことになります。外してアルコール洗浄しました。粘っていたレバーの動きが軽くなり、くみ上げ後の動作も安定しています。

簡単そうなので回路図も起こしておきました。
スイッチの問題はひとまず解決ですが、名称など情報があったら是非教えて下さい。


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HELP ビルドドライバーの部品

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            写真1

 仮面ライダーの変身ツールでビルドドライバーというおもちゃ(写真1)があります。今回持ち込まれた症状は電源スイッチを入れると音がでるが、ボトルを差し込んでも反応しないというものです。

 ボトルとは写真1の左側に2個有る縦長のものです。これを青矢印の位置に上から差し込みます。2個の差し込み口があり、ボトルは2個入ります。ここにどれを入れるかの組み合わせで、いろんなことをしゃべるらしいのですが全く反応しないと言うことで内部を点検するとボトルの差し込み口それぞれについているスイッチ3個の内1個が(写真2)導通していません。接点不良のようです。

 スイッチは1個づつ分解でき、写真2の青矢印は2個連結の状態、赤矢印は単体の写真です。三角のレバーを押している間だけONになります。
 写真3のボトルの裏にあるキーを見ると、差し込むときにON/OFFで信号を作っているようです。1個のスイッチが常時OFFではダメと言うことになります。

 こんなスイッチは部品屋さんでも見たことがないので、困っています。
 どなたか部品の名前とか入所先などご存じでしたら、是非お教え下さい。コメントでも問い合わせ欄への投稿でも結構です。

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              写真2

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               写真3

スキャンでピッピ!アンパンマンレジスター  2018.2.10

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            写真1                            写真2

 アンパンマンレジスタにはいろいろな機種がありますが、この機種はスキャンで商品を読み取って価格と商品名をしゃべるというのが特徴です。持ち込まれた症状は商品をレジスタにかざしても反応しないというものです。

 このレジスタの分解手順は他機種とほぼ同じですので、参考資料にしておきます。記事の最後に掲載します。当然組み立て手順はその逆を行えば良いと言うことです。
 正面から見ると表示部の下に緑の四角い窓が見えます。そこからレーザー光が出てバーコードを読み取っているという動作を模しています。実際はこの窓の内側にループアンテナがあって、13.56MHzの電波を使ったRFIDで商品情報を読み取ります。反応しないということで、最初はRFIDのモジュールを疑いました。13.56MHzの水晶が発振していないのでこれはダメかもと思ってしまいました。しかし外して調べると水晶は正常、他の水晶を取り付けても同じです。

 結果から言いますと、読み取り動作の起動はRFIDモジュールに商品を近づけることでは無く、台の下部から、表示部の下に赤外線が照射されていて(写真2)これを遮ることで商品がかざされていると認識し、その後RFIDが起動されて情報を読み取るしかけです。
 今回はこの赤外線強度が不足していて起動しなかったのです。県西おもちゃ病院のブログに他メーカーですが、ほぼ同じような症状が報告されています。そこで、赤外LEDの電流を測定、少し増やすと動作を始めることが判りました。測定結果は次の通りです。

① 現状  20mA  動作NG
② 閾値  26mA  これより多い電流値で動作する
③ 設定値 32mA  LEDの電流制限抵抗を120Ω → 120Ωに220Ωを並列追加(写真3)
これで安定して動作します。
 ハンディスキャナには単にスイッチがついていて、商品に押し付けるとランダムに価格をしゃべります。商品名は言いません。このレジスターの動作仕様は以下のようです。

1.レジスタの表示部下に物を入れて赤外線を遮ると、RFIDの読み取り動作が起動される。
2.おもちゃ付属の商品にはRFIDのタグが埋め込まれていて、情報の読み取りが成功するとそれに対応した価格と商品名をしゃべる。
3.手で赤外線を遮ってもRFIDが起動するが、情報は読み取れないので、この場合はランダムな価格だけしゃべる。

 
 写真3 赤外LEDの電流制限抵抗、 写真4 RFID基板とループアンテナ(矢印)



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分解手順

*[PDF書類]

アンパンマンあいうえお教室 2018.1.28

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 アンパンマンあいうえお教室です。しばらく前の事例(2016.6.11の記事をご覧下さい)と同じでした。

 最初、電源の断線で同僚Dr.が担当したのですが、その後キーの調子が悪いと再入院したものです。キーのタッチが不安定で、これは面倒そうだと放置して他のおもちゃを先に修理していました。さて取りかかったのですが、やはり「え」の行が不安定です。フィルムには前例と同じようにへこみがあって、これかと思ったのですが動作する時もあって静電容量方式の感度の問題かとも思いました。

 おもちゃ病院 新津(新潟)のブログで拝見した探査針のやり方で念のため通電を見ると、ほぼ断線状態でした。そこで前回と全く同じくフィルムに導電テープを貼って、そのテープに極細エナメル線で基板から直接配線したところ「え」行の動作も安定しました。

 写真の矢印はテープから基板への極細線の配線で、セロハンテープで固定しています。元の線の上をできるだけなぞっていますが、ややこしいところは直角に他の配線と交差するようにしました。このバージョンはまだメーカーの設計が古いときの物のようです。

アンパンマンはじめてのあいうえお教室  難儀しました 2017.12.9

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 前回の開院日に続いて見かけがそっくりなあいうえお教室が来ました。違いは製造時期で、こちらの方が年代が前の製品です。中身の違いはタッチキーの方式で、前回のは静電センサー方式。この製品は圧力による接触でフイルムの接点がONになるというもの。フィルム印刷した配線が切れていたりすると面倒なので余り好きなものではありません。

 症状は電源を入れてもボツボツという小さな音がスピーカーから聞こえるだけというもの。お預かりしてじっくり見てみましたが、目視では異状は発見できない。COB不良となるとあきらめざるを得ません。ドライヤーで熱風というショック療法も試す必要ありかとCOBをさわりながら電源を入れたり切ったり。するとなんの拍子か、音声が出て動作がスタートしたのです。

 しかしその後も不安定で、COBあたりの基板を指で挟んでいると起動することが多いのです。そこで当たりを付けて電源回路部分にパスコンを追加することにしました。基板の電池がつながっている端子に47μF。するとかなり安定します。次にCOBの直近にある電源のパスコンに並列に0.1μFを付けるとさらに安定しました。このパスコンが容量抜けだったか、ハンダが内部で外れていたのかも知れません。

 修理完了と蓋を閉めて最終テストをすると わいうえお の列だけが反応しません。動作すれば修理完了と思ったのは早計でした。列が反応しないのは明らかにこの列の通電が途切れているからで、順に追いかけるとありました。フィルムの一部に衝撃によるへこみがあり、そこから先に導通がないのです。そこで、基板から直接極細の線を引き出し、フィルムに導電性塗料(ワイヤーグルー)で線を固定しました。裏蓋を閉めて動作チェックすると わいうえお の列もOK。修理は完了しました。

 ところが後日再度テストすると起動しない。愕然としました。またケースを開けてチェックするも原因不明。何度かテストする内に起動し始めました。蓋をして時間をおくとまた動作したりダメだったり。いろんな事をしてみましたが効果無し。ふと思いついたのが電源電圧を変えて見ることです。元々電池3本なので規定は4.5Vとなります。ところが、これだと不安定なのです。少し上げて5Vだと完全にダメです。電源スイッチを切ってもLEDが点灯しています。
 そこで電圧を変化させて起動の様子を調べました。

5V  NG
4.5v NG
4.4V 起動するも動作不安定
4.2V 起動するも動作不安定
4.0V 起動し動作正常
2.5V 起動し動作正常
2.0V 起動するが音声のピッチ(周波数)が下がる。動作は正常
1.8V 起動するも動作不安定
1.6V NG

 つまり2.5V〜4Vが正常動作範囲となります。この結果から電池を1本減らすことにしました。設計からは外れますが、仕方がない。原因はCOBの樹脂の下に隠れている?安定化電源の故障かもしれません。パスコンも異状はなかったのかも。こんなケースは初めてです。

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   写真はフィルム上の印刷配線の切れた部分の先でエナメル線を黒い導電性塗料で固定したところ。乾燥してからセロハンテープで被覆。

 下図は電源部分のみを書き起こしたもので、LEDやタッチセンサーへの配線は省略しています。

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re:アンパンマンはじめてのあいうえお教室  難儀しました 2017.12.9 Nさん 1/27(土) [編集]

大泉様
電圧を変えると動作と言うケースが何度かですか。これからはそれもCOBがNGと言う判定の材料に入れなければなりませんね。延命できればいいというおもちゃ病院的・・結構好きです。


re:アンパンマンはじめてのあいうえお教室  難儀しました 2017.12.9 つつじが丘おもちゃ病院 大泉茂幸さん 1/26(金) [編集]

大泉です。
電源電圧を変えると動作したケースは僕も何度か経験しています。元々LR44が2個だったのですが、BORが頻発する状況で、LR1130を3個に変えました。別のおもちゃではゲートの閾値がズレているようで、嵩上げしたり落としたりして合わせ込んだこともあります。根本的な原因解決ではありませんが延命できればいいと思ってやってます。こういうところがおもちゃ病院的ですよね。


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アンパンマンことばずかん  2017.11.26

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 ことばずかんのタッチペンが動作しないとのこと。起動音声は流れますので、スピーカー関連や、音声作成部分は正常。驚いたのは、「分解したら先端が外れました」というお話し。えっ、分解したの?と驚いたのです。この分解はなかなか決心が要る作業です。なれれば平気なんですが、ネジを外しただけでは取れてくれません。

 先端と言うことはイメージセンサーです。持ち帰ってケースを開くとなるほど外れています。まあ、これだけならと半田ごてを当ててみましたが、ハンダがほとんど乗っていないので、思うように付いてくれません。どうももともとほとんどハンダが無いような状況で、力がかかったらぽろっと外れたと思われます。なんとか付け直しましたが、先端から赤外線が出ていません。基板上のLED駆動のトランジスタにも信号が来ていません。こうなると画像処理のICが動作していないことになります。

 我々が触れるのはICの外部ですから水晶が発振しているかを確認。すると信号無しです。音声処理のICの方は別の水晶がしっかり発振しています。このタイプは水晶が2個あって、画像処理用の16MHz水晶が止まっています。試しに手持ちの10MHzを付けてみました。するとあっさり発振し、赤外線も出て来て、絵本を近づけると読むのです。発振子のサイズは大きいですが、ケースには納まるのでこれを使うことにしました。おそらく周波数が下がったので画像処理のスピードが落ちているでしょうが、使った感じではわかりません。

アンパンマンカラーパソコンスマート  2017.11.26

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 アンパンマンカラーパソコンスマート、2016年12月10日の記事と同じ機種です。今回は画面では無く、キーボードにいくつか反応しないキーがあるとのことで持ち込まれました。

 まず予想するのはキー自体の接触不良、これは開いてみてほこりも入ってないし印刷配線も見た限りでは正常。次に予想される原因はキーボードと本体基板の配線不良です。

 本体基板は表示部の裏にあるため、前面パネルの隠しネジを全部取り去ります。下の写真は磁石でネジ位置を検索し、セロハンテープを貼ってマジックペンで印を付けているところです。全部検索したらドライヤで暖めながら金属ヘラを画面のマスキングシートの下に差し込んでゆっくり剥がします。ネジさえ外せばいいのでできるだけシートの剥離は少なくなるようにします。ネジを全部外すと、上部カバーがとれます。

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 下は本体基板と、キーボード接続部の写真です。順に導通を見ていくと、赤い矢印の部分だけ導通がありません。緑の線ですが、これ自体は正常で、キーボーとの接触部分が十分に接触していない事がわかりました。この部分はフィルムに印刷した導電インクと基板を半田付けでは無く押しつけているだけです。
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 そこで、導通が無い部分に導電性の塗料をほんのわずかに塗布してみたところ正常になりました(写真下)。これですべてのキーが正常動作しました。
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2.4GHz ラジコンが2台   2017.10.22

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 2.4GHzの同じ機種のラジコンが2台。これは偶然です。右側の車を担当したDr.からダメの様だがとセカンドオピニオンを依頼されました。

 送信機は右側が正常です。どうも異常と思われる送信機からは電波が出ていないようです。正常な方の送信機では電波検出器でちゃんと確認できます。

 2.4GHzは当地ではみんな未経験でして機械の中身を見るのも初めてです。送信機にも受信機にも基板の上に無線モジュールが小亀のように乗っています。しかも型番も同じ。XQ-24G-01となっています。相互通信しているのかと思いましたが、受信機側からは全く電波が出ていません。

 久しぶりに押し入れからスペアナを引っ張り出して見てみました。下の写真がその測定画面です。上から正常な方の送信波スペクトラム。2.4GHzセンターで、約5秒の蓄積画像です。周波数ホッピングで150MHzくらいの範囲でいろんな所に出没しています。2番目は基準発振用の水晶(16MHz)の筐体に漏れてくる信号。発振が確認できます。3番目はNGの方の送信機で、10秒近く蓄積しても全く信号がありません。中心の少し上にひとつ出ているのはWiFiの電波を拾ったものです。4番目はNGの方の水晶筐体からの漏れです。つまり、クロック発振はしています。

 この結果からCOB封止樹脂の内部の何かがダメになっていると判断しました。小亀の各端子の電圧は正常な物と同じでした。

 こうなると、我々には全く手が出せません。オーナーさんに説明することにします。今回は同じ機種で比較ができたのでラッキーでした。

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アンパンマン はじめてえいご  2017.9.4

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 当ホームページをご覧になって同じ症状では?とお送り頂いたものです。
 電源が入らないということで、点検してみるとスイッチのFET Q2(おもちゃ病院新津に掲載されている回路図を参照)の以降に電圧が来ていません。FETの足をオシロのプローブでさわると衝撃によるものでしょうか、電源が入りました。極めて不安定です。
 スイッチの前段のFETで見るとちゃんと電源スイッチに同期した電圧変化になっている。スイッチのFETを外して見ました。すると基板のゲートのパターンへの電圧が不安定です。

 まさかコンデンサC8がと思いましたが、交換してみました。すると安定します。それならと全部元に戻す段階でQ2の足を折ってしまいました。チップのFETは持っていません。仕方が無いので大きいですが手持ちのパワーMOSFETを取り付けました。
 写真の赤矢印の先がそのFET。水色矢印の先はコンデンサです。取り外した元のチップ型のを黒いICの上に乗せています。どちらも長辺3mmというものです。取り付けたものは巨大です。
 それにしてもこのモデルはコンデンサがよくおかしくなるのでしょうか。お送り頂いたオーナーさんの予想がずばりだったという結果でした。

仮面ライダー変身ベルト ドライブドライバー  2017.8.27

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 仮面ライダードライブドライバーというおもちゃです。仮面ライダーの名は知っていてもテレビの放送は全く見ていないので、これがどんなものなのか想像も付きません。電源スイッチを入れると音はするが、丸い正面の部分が光らないという症状だそうです。

 分解すると回転体があり、LEDが10個付いています。回転しながら光って画像を表示するという仕掛けで、バーサライトというそうです。初めて見ましたが、うまくできています。おもちゃにはいつも感心させられます。これはモーターの軸に回転体が直接固定されていますが、本体との間は非接触です。写真の様にコイルがあり、ケース側の固定コイルとの間で磁気によるエネルギー伝送をしています。それ自体はありふれたもので、我が家のコードレスホン子機も充電器との間は非接触です。測定すると56KHzの電流を流していました。

 回転体の基板に特に目で見える異状はありません。
 モーターの配線を切って動かないようにし、基板の電圧をみたところ、基板には正常に供給されており、基板のレギュレータも問題なし、COBまで正常に届いています。基板の端には位置検出用のフォトトランジスタが接続されていて、これが故障かと思いましたが、正常のもよう。照射用の赤外LEDもデジカメで見ると光っている。
 回転体のCOBが不良かと思いましたが、念のため位置検出の線に別途信号を作って入れて見ました。信号はON 1ms(LOW)、OFF 20ms(HIGH)のパルスで、マイコンICを使って作りました。すると、回転体のLEDが光りました。これで原因は位置検出の信号が正常に入っていなかったということがわかりました。フォトトランジスタの受光側は良さそうなので、照射側の赤外LEDを疑いました。位置を鋭く検出できるように半開き窓が付いたケースに入れてあります。どうも光軸が少し窓の閉じた方に寄っているようなので、一度ハンダを外して付け直して見ました。すると回転体のLEDが光り出しました。検出限度ぎりぎりの所だったようです。


 写真は回転体の裏側のコイルと上端にPT3と書いてある部分がフォトトランジスタ。基板の表側にはCOBとLED10個。左側には電源部がある。コイルの電流を整流してレギュレータを通じてCOB他に供給している。上端のPT2は裏のPT3とつながっているが部品は乗っていない。TR1と表示があるところは、コイルからの電圧を別途検波してその信号をスイッチしてCOBに入れている。これが、外部との赤外通信の受信情報を固定部から受け取るしかけだろう。

 回路図を起こしてみた。回転体側のレギュレータは5ピンの3.3V用と思われる。ところが、他でよく見るものとピン配置が違うようでよくわからない。

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re:仮面ライダー変身ベルト ドライブドライバー  2017.8.27 Nさん 9/11(月) [編集]

お返しするときに、付属の車を持ってきて下さいと頼んでおきました。それがないと写真のように輪が出るだけで、もう一つおもしろくない。というより動作確認ができないのです。ちゃんと持ってきてくれました。私はどうすれば良いのかわからなかったのですが、持ち主であるお子さんはすぐに動かしてくれました。するといろんなもようが出てきて、「おーっ」と言う感じでした。よかった。


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BAKUSOU BIKE   2017.8.12

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 BAKUSOU BIKEという仮面ライダーのベルトに付けるアダプタです。ベルトに差し込んだり、レバーを押すと光って、いろんな音も出るというおもちゃです。子供がジュースをかけてしまって、その後光るが、音が出なくなったというお話しです。

 原因がわかっているので、腐食による配線切れを予想して内部を調べましたが、目立った故障箇所は見えません。そこで、拡大鏡でよく見ると、プリント基板の一部に緑青が出ています。(写真の赤矢印の先。写真はすでに掃除した後)。お預かりしてよく調べると基板のスルーホールが切れて、基板の裏表のパターンに導通が無いことがわかりました。テストでつないでみるとちゃんと音も出るし、光も強くなりました。そこで、細めの線を入れて半田付けし直し、完了となりました。
 基板のパターンは緑の保護塗装で守られていますが、スルーホールの中までは守られていないので、ジュースで溶けてしまったと言うわけです。基板はガラスエポキシで、高級品です。

エルモ(旧型)    2017.7.25

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 エルモは2回目です。前回は電池ホルダの接点が錆びていたと言う内容でした。今回はすぐにわかりました。動かすと寝るところまで行くのですが起き上がらない。モーターが空回りしています。明らかにピニオン割れの症状です。

 分解すると案の定足を動かすモーターに付いているピニオンギアがひび割れしています。このギアは0.6モジュールの8枚歯です。しかも長いギア。モーターの軸のかなり先で次のギアとかみ合っています。
 このギアはよく割れるらしく、他のおもちゃ病院の修理例を拝見すると症例がたくさん出て来ます。結構力のかかるところでもあります。0.5モジュールはギアの予備もそこそこありますが、0.6はまったくありません。仕方なくひび割れしたギアを縛るという修理法でいくことにしました。根元部分にステンレスワイヤを巻いて縛り、ほどけて来ないようにエポキシで固めました。

 テストすると足腰はしっかりしましたが、まだ空回りの音がします。残りは腕のモーターです。こちらも開いてみると、同じようにひび割れです。また縛って固めました。今度は調子よく動きます。ちゃんと立ち上がってから止まります。

RFチェッカー高性能化改造 

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 ラジコン用RFチェッカーを改造しました。これまで100均のボリウムアンプに、赤外線センサーを追加したツールで低周波、赤外線、無線チェッカーとして使っている物です。そこに今回つつじヶ丘おもちゃ病院の大泉様から頂いた3GHzまで検出できるLT5534を乗せた検出モジュールを追加しました。100均アンプの内部は極めて狭いので赤外線検出モジュールは外に出していますが、このRFセンサーはものすごく小さいので収縮チューブで保護して、ケースの内側に貼り付けました。
 このモジュールは電波の強さを対数変換して直流で出力すると言う仕様です。要はAM検波器と言えます。
 おもちゃ病院ではまず受付でこれを使って電波の具合をチェックします。これまでは100均アンプの非直線性を利用した検波でしたが、LT5534を使うと周波数帯が3GHzまでに広がります。

 ラジコンの方式は単純にパルスの数を読んで制御するというものが多く、送信機の電波をAM検波してスピーカーで聴くと、変化の具合などでけっこう様子がわかります。2.4GHzのラジコンはかなり複雑な通信をしているようです。しかし、電波が出ているかどうかはわかりますのでそのチェックはできるはずです。これまで2.4GHzのラジコには遭遇していませんのでまだ未知数ですが、ブルートゥースのマウスを近づけたりすると電波が出ているのがはっきりわかります。

 回路図を添付します。入力部に切り替えスイッチがありますが、これは無線センサーと低周波・赤外センサーの切替です。無線センサーが高感度のため浮遊するいろんな電波を実によく拾います。電波の検出をしようとするとき以外、はっきり言ってうるさいのです。このくらい電波がうようよしているのかと驚くほどです。おもちゃの楽器とかの低周波部チェックの時には邪魔です。
 無線センサーの出力は可変抵抗を通さずにアンプに入れています。LT5534は60dB(電圧で1000倍)の圧縮効果がありますので、アンプ側では固定のゲインで問題ないようです。

 まだこれからいろんな場面で様子を見ながら必要な改造を加えたいと思っています。
 高性能のRFセンサーを提供して頂いたつつじヶ丘おもちゃ病院の大泉様にお礼を申し上げます。
 このセンサーモジュールに付いての情報は次のところをご参照下さい。
http://tutujith.blog.fc2.com/blog-entry-203.html
http://tutujith.blog.fc2.com/blog-entry-200.html

 回路図と、今回頂いたLT5534使用モジュールの特性測定結果です。仕様は50MHz以上と言うことになっていますが、10MHzでも平坦です。上はSG上限の2GHzまで入れてみましたが、わずかに感度が低下しています。


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修理不可2件  2017.7.14

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 最近修理件数が多かったので、それに伴って修理できなかったものも増えました。
 1件目は「ことばのずかん」です。アンパンマンことばずかん とは別物です。ことば ”の” ずかん です。メーカーはベネッセ。なんでこんな似たような名前を付けるのでしょうね。

 アンパンマンのとほぼ同じような造りのペンです。スタートメッセージが出てそれ以後動かないという症状。赤外線が出ていません、しかし水晶は発振しており、イメージ処理のLSIは動作しているようです。しかし、LED駆動の信号が出ておらず、周辺を調べるとコンデンサのいくつかで短絡状態が出ています。外して単体で調べると異状なし。つまり、LSIも含め電源回路までのどこかで短絡しているようです。しかし、発振はしているので、LSIはたぶん大丈夫なのでしょう。大きめのチップは外していくつか点検しましたが、小さいのは手に負えません。やむなく修理不可でお返ししました。

 2件目はカラオケセットです。こちらはCOBの横の水晶(4MHz)が電源ON後約1秒で発振が止まります。いろいろ振動子も交換してみましたが症状は同じです。しかし、何度かやっているとたまに発振が止まらないことがあり、そのときにCOBのあちこちの端子を見ました、でも全く信号無し。外部の発振回路で強制的にクロックを注入しても変化無し。全部品のハンダ溶かし直しも効なし。これも修理不可としてお返しします。

コメント機能復活しました

 

 コメントに気づかず、放置するケースがありまして、しばらくコメント機能を停止していました。コメントがあればメールで通知されるように設定できたので、気づかないということは無くなります。そこで、コメント機能を復活させました。
 これまでのようにご意見をお待ちします。

ラジコン車 ランドクルーザー

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 ランドクルーザーのラジコンカー。前進後退が動作しないという主訴です。左右のハンドル操作は動作します。ラジコンモニターで変調の具合を聞くと、ちゃんと変化していますので送信側はまず大丈夫でしょう。車体を分解して制御基板を露出させます。検査手順通りに基板の電源供給を点検、OK。前後の操作電波を送ってモーターへの供給電圧変化を点検、OK。ということは基板以降モーター側の故障です。
 ここまではモーター駆動のHブリッジ故障を予想していました。Hブリッジは2SB772、2SD882というトランジスタで構成されています。ハンドル操作はTC117です。しかし予想が外れました。次はモーターへの配線、OK。モーター自体か?しかたないので、モーターが入っているギアボックスを分解。すると、モーターのピニオンギア付近に大量のゴミが詰まっているのが見えました。

 ギア全体を分解するとボックス内はさらに大量の砂ゴミで固まってしまっています。動かない直接の原因はモーターのピニオンギアに噛み混んだ砂ゴミでした。モーターだけ外すとちゃんと回ります。
 仕方ない、大掃除です。ギアボックスやギアを水洗いしましたが全く取れない。要はグリースと砂ゴミが固化していたのです。そこで灯油と歯ブラシで洗浄。乾燥させてウエスでさらに残りのゴミを取り除いて終了。あとはグリースをギアに塗って組み立てました。

 モーターの次のギアがかなり砂で削られています。いつ完全にだめになってもおかしくない状況です。全く防塵対策などはなさそうなので、できれば屋外では使わない方が、というアドバイスは付けてお返しすることにします。

ラジコンカー ランボルギーニ  2017.6.25

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 ラジコンカーが動作しないと持ち込まれました。電池容量が不均一に無くなっています。新しい電池を入れると、後退だけダメで、前進とハンドル操作はOKです。こうなると故障箇所はすぐに特定できます。モーター駆動用のHブリッジしかありません。すぐに視認できました。6個のトランジスタの内1個が破裂しています。封止材から完全に飛び出してはいませんが、丸く膨らんでいます。交換してすぐに正常に動作しました。破裂の原因が他にあったということではなさそうです。
 基板を見てあれ?制御ICであるRX-2Bの場所が穴あきになっていて、ハンダ付けはパターン面です。なんのための穴なのか。
 ①DIP型ICのつもりで設計した基板にSOPを実装するために穴を開けてひっくり返した。
 ②昔はでかいDIP型用だった基板の設計をIC部分のサイズだけ縮小してSOPに使えるようにした。
 ③基板を薄くしたかった・・・これは無い。

 さて・・・。

ジュエルポッドプレミアムハート   2017.6.10

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 ジュエルポッドというシリーズがあるようです。子供用のパッドです。電源が入らないと言うことで預かりました。裏蓋を開けると電池ケースの端子にヒューズ(赤矢印の先)が付いていて調べると切れています。原因はわかりませんが試しに500mAのヒューズ線を並列に付けてみました。基板に電源は供給されます。スイッチボタンを押してもヒューズは飛びません。

 青矢印のスイッチはリセットスイッチで、この裏側に同じような形状の電源スイッチがあります。押しますと、その先のダイオードらしき部品(3個の電解コンデンサの左上)の片側まで電圧が観測できます。グレーの樹脂をかぶせた様な部品はインバータの部品かも知れません。しかし多層基板かもしれず、パターンは到底追えません。ここまで精密なものはさわりたくないので、今回はあきらめます。残念ですが、修理不可でお返しします。

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アンパンマンパソコン (分解に苦労) 2017.4.8

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 アンパンマンパソコンのマイクとマウスのコードがぼろぼろになったという状況です。簡単に考えていたのですが、ディスプレイパネルの分解にえらく苦労しました。
 以前他のおもちゃ病院の記事で読んだのですが、隠しネジの発見法で磁石を使うという手があり、小型のネオジム磁石を道具箱に入れていました。これは実にはっきりわかります。ドライヤーで暖めてパネルのシートを剥がしてネジを外しました。ちょうつがいのところの2カ所も外したのですが、パネルが取れない。しかたなく、症例をネットで検索してみました。

 ヒットしたブログにメッセージを入れて質問してみたところ、奈良のおもちゃ病院に情報有りとのメールを頂きました。奈良おもちゃ病院のHPは時々拝見するのですが、今年2月の資料はノーチェックでした。詳しい資料を公開してくれています。
 例によってメッセージを入れるとすぐに返信を頂き、いろいろと懇切なアドバイスを頂きました。そしてそのメールに返信している最中にひらめきました。拝見している資料の写真をよく見たところ、答えが見えていたのです。あとは試したところあっという間に解決しました。
 そこで、私も奈良おもちゃ病院を見習って、資料を残します。私が陥った泥沼を紹介することで、もしかしたら誰かの苦労がなくなればと。

 それにしても、各地のおもちゃ病院で同じ型の製品がコード劣化で持ち込まれている様です。被覆がぼろぼろなのに中の線は丈夫。どうも被覆はウレタン素材の感触です。で、加水分解したのかもしれません。芯線はマイクが3芯、マウスは2芯で、どちらも芯1本あたり5本ほどリッツ線が入っています。ナイロンの芯に細い銅箔を巻き付けたもので、これが5本も。道理で外部被覆がぼろぼろになっても切れないわけです。
 線ごと全部取り替えるのはもったいないので、被覆だけかぶせることにしました。ガラス繊維製の柔らかいパイプを院長からもらいかぶせました。
分解手順です

スーパーオートステーション  2017.4.8

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 タカラトミーのスーパーオートステーションというプラレールとトミカを合わせて発車制御するためのもので、他の部品と組み合わせてレイアウトを作ります。プラレールは自走なので駅に着いたら床から浮かせて車輪を空回りさせることで停車させます。床に降ろせば発車です。トミカはもっと簡単でエスカレーターで上に上げて、ストップバーを降ろせば走り出すという物。これを制御するモードがプラレール、トミカともオートマニュアルの切替があって、別の動きをします。また、発車時にはアナウンスや、発車ベルがなります。

 全く動作しないということで、持ち込まれました。残念ながらスイッチや電源回りの配線の故障では無く、COBのICが全く反応しません。そこで、オーナーさんに出費を承諾して頂き、制御基板を作ることにしました。例によってAVRマイコンで計画しました。入出力の数が多いので、8ピン物では無理で、20ピンのAttiny2313というマイコンを使いました。
 音声の再現は手に負えませんのでご容赦頂き、動きをyoutubeで見て参考にしました。
 発車ベルは単純な音の断続でできるので、搭載しました。

 今回は今までに無く複雑な処理が必要で、プログラムの練習になりました。少しノウハウを増やせたと思います。また久しぶりに物作りをたっぷり楽しみました。
 回路図です(ただし、スイッチ周辺はもとの回路と全く変わっています)

ぴょんぴょん育脳マット 2017.3.11

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 これ実は再入院です。スイッチを入れても電源が入らないということで、前回の開院日にスイッチの接点を交換しました。そのときは正常だったのですが、持って帰るとまたダメになったとのことでした。スイッチは前回接点を交換したので導通は正常。ところが、回路全体に電源が通らない。じっくり見ないとわからないので入院としました。

 調べるとスイッチのあとに自己保持回路があります。たぶん一定時間が経過すると電源が切れるようになっているのでしょう。そこで思い出したのが、先日の「アンパンマンはじめて英語」です。あれも電源スイッチはONのパルスを送って短時間電源を入れて、あとは自己保持するようになっていました。そう思って回路をたどるとほぼ同じ仕掛けでした。使っている半導体はあちらはFETで、こちらはトランジスタですが、思想は全く同じです。そこでスイッチ直後のコンデンサを調べると容量抜けがわかりました。今回はチップではなく円筒型のアルミ電解22μです。手持ちのタンタルコンデンサを入れると、あっさり動くようになりました。

 写真下は回路部分のクローズアップですが黒い円筒型の間の緑色のが交換した22μです(赤矢印)。右端に転がしてあるのが、取り外したアルミ電解(青矢印)です。結果的にダブル障害と言うことで、二度も来てもらうことになりました。
 スイッチ周辺だけ回路図を作りましたので掲載しておきます。

*これを書いてからネットでメーカーのページで取説を見つけたので読みました。無操作10分で省エネモードになって電源ランプ以外は切れるとあります。

回路図

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re:回路図 Nさん 3/14(火) [編集]

大泉さんのご指摘の通りでした。隣のチップと見間違えていました。10Kです。オシロで見ても200ms以上電圧が高い状態です。早速修正しておきました。ありがとうございました。


re:回路図 つつじが丘おもちゃ病院 大泉茂幸さん 3/14(火) [編集]

ベース抵抗の221(220Ω)は小さ過ぎって思いませんか。22uFとの時定数は5ms足らずです。この時間でマイコンが立ち上がらないとは言えませんが、100msくらい余裕を持たせるのが普通だと思います。
また、220Ωだとベース電流が数10mAも流れることになり、変な設計ですよね。


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Yonezawa toys ラジコンロボット 2017.2.26

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 Yonezawa toys のウエーブハンターと書いてあります。米澤玩具という会社でしょうか、今はもう無いメーカーのようです。ラジコンで動くロボットです。動くと言ってもスイッチを入れるとひたすら前進し、コントローラで電波を送るとその間だけ後退に切りかわります。故障は簡単にモーターのピニオン割れで、交換して復旧。ロボットの内部を見られましたので、掲載します。

 写真の2枚目は内部の電子部品等ですが、おもちゃでは余り見かけないリレー(1回路2接点)が付いています。電波を受けるとリレーが動いてモーターの電圧を反転するしかけです。電波は何でも良いわけでは無く、600HzくらいでAM変調をかけると動作します。送信機の電波は変調とは言え、パルスで断続しているような波形です。一応誤動作防止なのでしょう。送信機の代わりに信号発生機で27.145MHzに1KHzでも400Hzでも変調をかけると動作します。送信機は電源スイッチを入れると何もしなくても電波を出していて、電池の006Pがもったいないように思えます。
 なんの動作もしないなら電波を切っておけばいいのに。今時の送信機は電源を入れても操作をしたときだけパルスで変調した電波が出ます。電源スイッチすらない送信機もよくあります。いろいろと変遷してそうなってきたのでしょうね。

 モーター制御も今のおもちゃならIC化したフルブリッジでしょうが、この時代はリレーを使って電池の中点タップとの間の電圧を反転してモーターに供給する方式を採用したようです。ブリキ製とまではいきませんがかなり古い物です。でもしっかりしています。made in japanです



re:Yonezawa toys ラジコンロボット 2017.2.26 つつじが丘おもちゃ病院 大泉茂幸さん 3/13(月) [編集]

このおもちゃのように、初期のラジコンは変調信号の内容に関わらず変調の有無だけで制御しているので、キャリアを止めると超再生がノイズを拾って誤動作を起こし易いのです。今時のラジコンはデジタルコードを送っているので冗長ビットをチェックすることでノイズを拾っても誤動作しません。


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アンパンマンはじめてえいご      2017.2.16

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 アンパンマンおしゃべりいっぱいはじめてえいご。長い名前ですが、要するにタッチ式の英語学習パッドです。電源が入らないと言うことで修理にお送りいただきました。中を見ました。電源スイッチは電源を直接ON/OFFしていません。ということはパソコンと同じで電源を入れるトリガ、切るトリガとしてスイッチを使っています。回路基板を眺めるとすぐに目に付いたのがチップ部品が外れた痕跡です。プリントパターンもはがれた跡があります。スイッチを入れたときにここに電源電圧がかかるはずなのにかからない。

 例によってまたネットを検索するとヒットしたのが、いつもお世話になっているMS工房秋葉(新津)のブログ。どらえもんロボットや、ラジコンカーなど情報をもらいっぱなしです。今回も回路図まで起こしておられたのですぐに動作がわかりました。それによるとコンデンサをとおしてスイッチONの電圧を伝えた後は自己保持し、スイッチを入れっぱなしでも操作しないで1分経過すると電源が切れるようになっています。スイッチを切ったときはその信号が内部に伝わり、内部で切断動作が走るようになっています。

 試しに強制的にコンデンサの後に信号を入れると、起動しました。一安心です。あとはコンデンサの大きさを決める必要がありますが、もしかしたらと先のブログのオーナーDr.にメールを出してお聞きしました。このブログでは別のところが修理対象で、コンデンサの容量は判らないと言うことでしたが、テスト方法をアドバイスしてくださったのでさっそくやってみました。その結果4.7μFで行くことにしました。チップコンデンサは持っていないので、ディップタンタルという大きめの部品です。(写真は基板の上側矢印がコンデンサのはがれた跡、下の矢印は4.7μを付けたところ。緑色なので見にくい)
 テストすると安定してON/OFF動作ができました。


 取説です

恐竜  2017.1.14

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 赤外線リモコンの恐竜です。故障自体は単純で、電池の液漏れによる極板と配線の腐食でした。単3を8本も使っているので極板もたくさんありますが、しかたが無い。不思議なのはこの8本が直列では無く、4本+4本の並列接続だったことです。たぶん消費電流の関係でしょうが、これこそアンバランスな電池を入れたりすると命取りです。  
 分解するとへんな鉄片が2個転がって出て来ました。点検中にからからと音がしたので、何かなと怪しんでいましたが、これでした。正体はしっぽの後ろの方に設置したバランスウエイトで、簡単にホットメルトで止めてあっただけだったので、外れたようです。

 修理を終えて、足を付ける前に動作を確認するために通電してみました。動きます。体をゆするとしっぽまでゆらゆらと揺れます。へびみたいで気持ちが悪いので、早々に打ち切って足も付けました。リモコンでテストしてみました。デモモードというのがあって、一通りの動作をするようです。動画を添付しますのでご覧下さい。やはりどうもあまり気持ちのいいものではありません。ちなみに爬虫類はきらいです。

*[MPEG4動画]

ラジコン車 スバルFRO (JOZEN) 2017.1.14

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 JOZENと言うメーカーのラジコンで、前輪の操舵はできるが、後輪が動かないとして持ち込まれました。カバーを取ってみると、制御基板のケースに大きな穴が空いています(写真上の右)。ケースを開くと基板の一部が黒焦げになっていました(写真下の赤矢印)。ケースの穴はその部分の上に相当するところで、熱で溶けたようです。オーナーさんに聞きましたら、特に発火などはしなかったということですが、ケガがなかったのが幸いでした。

 なかなか派手にこげているのは後輪モータドライブのPMOS-FETで、さわるとぽろっと取れてしまいました。跡は基板が炭化していて配線のパターンなど全く無くなっています。それでもそのための電流もれも特にないようです。
 代替のPMOS-FETを取り付けるのに、別基板にしようかとも思いましたが、ケースに収まりそうに無く、基板を眺めていると予備のモジュール設置用の空きエリアが目にとまりました。
これはこげたモジュールの横にもありまして、合計4個のPMOS-FETを乗せられる設計になっているのです。こげた部分とその隣は使えませんので、残ったモジュールの隣(写真右下端)に設置することを考えました。配線はそのままでは使えませんので、改造するために、まず回路図を起こしました。基板から回路図を起こすのはどうも苦手です。全体を回路図にするのが良いのですが、根気が伴いません。出力部のみをやっと回路図にしたら、あとは配線するだけです。配線は写真では見えない裏側にしています。

 でき上って目視点検をし、電流計を入れておそるおそる電源をつないでみました。ショートはしていないようです。送信機で前後の操作をすると、電圧が反転して出て来ます。各部の電圧も正常です。モータをつなぐと正常に動作しました。修理完了です。

中華製モータードライバIC

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 中華製のモータードライバを買ってみました。先日修理したプラレールアドバンスの中に入っていたドライバICが1個でHブリッジを形成しているものでした。同じ物をAliExpressで探しましたがないので、H-bridgeで検索すると出てきたのが、L9110というICです。表面実装用のSOPパッケージは使いにくいので、大きい8ピンDIPのを探しました。10個で2〜3.5US$という値段です。
 このICは3.2V〜12Vの電源で、出力は連続で800mA、ピークで2Aとなっています。制御入力はTTL,CMOSレベルコンパチブルで、マイコンICを直結できるとなっています。

 写真右は8ピンのマイコンICでこのモータードライバをテストしているところです。4Vくらいの電源を加えています。
 制御入力に応じて順調に回転方向が切りかわります。モーターに加わる電圧は電源から1Vくらい下がっています。送料込みの値段ですので1個40円弱、おもちゃ修理には十分使えそうです。

ムシキング  (ヘラクレスオオカブト)  2016.11.27

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 ムシキングというリモコンで動作するおもちゃ。ヘラクレスオオカブトですね。前進と右旋回をするはずなのですが、前進がカチャカチャと振動するばかりで空回りします。
 最大の難点は分解方法がわからないことでした。写真の茶色い甲羅はすぐに外れたのですが、その前の角が付いたかぶと部分が外れません。ギアのあるケースを分解するにはこのかぶとの下にあるビスを緩めないとならないのですが、取れないのです。
 いつものようにネットで検索すると2箇所のおもちゃ病院で修理記事が見つかり、早速問い合わせを出しました。千葉のおもちゃ病院ではまっすぐ上に抜けば抜けるはずとのご回答をいただきましたが、かなり力を加えてもダメでした。もう1箇所のおおさかおもちゃ病院からは差し込んである柱が接着されているので、抜けないはずだとの情報をいただきました。おそらく製造年により方法が変わったのではないかとのことでした。これであきらめが付きましたので、あっさり柱をのこぎりで切りました。写真下左がかぶとの下のケースを開いた所です。

 ピニオンが1個割れており(下左の写真で斜めに置いてあるギア)交換しました。ところが、動作は改善したものの足を地に付けるとやはり空回りします。不具合部はクラッチギアで、これが滑っているようです。油分を洗浄しましたがダメ。そこで、クラッチの当たりを強くする方法を採りました。写真下右の矢印の先がそれです。エナメル線を軸に巻き、スプリングを3分の2くらいに縮めました。これであまり滑らなくなり、地に足を付けても前進、右旋回ができるようになりました。
 再発した場合は別のムシから部品取りをするしかないかもしれません。今回もまた先輩諸氏に助けられてなんとかなりました、ありがとうございました。


アンパンマンカラーパソコンスマート  2016.12.10

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 アンパンマンカラーパソコンスマートというパソコン。液晶画面が表示されないというお話しです。画面の照明は大丈夫です。接続部の故障が多いことをお話しして預かりました。
 奈良おもちゃ病院のトミーマックさんが公開された資料をお持ちで、御自分でも内部を開けようと努力されたようです。おかげでシールの下のビスなどが簡単に外れ、すぐに内部にたどり着きました。

 故障部分は予想通り液晶と回路基板のコネクタでした。写真右の矢印の先が少し緩んでおり、指で押し込むとすぐに画面が表示されました。このコネクタは力がかかるところではなく、製造時の差し込みが甘かったのではないかと思われます。 



re:アンパンマンカラーパソコンスマート  2016.12.10 Nさん 10/28(土) [編集]

 それはよかったですね。お役に立てばうれしい限りです。


re:アンパンマンカラーパソコンスマート  2016.12.10 参考にさせて頂きました。さん 10/27(金) [編集]

まったく同じ原因の故障で、コネクタ押し込みで直りました。情報ありがとうございました。


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音声認識ロボット キクゾー  英語が得意? 2016.11.12

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 これも古い、TOMY1980年代製のロボット キクゾーです。ラジコンと言うより音声認識と言うところがミソで、ワイヤレスマイクの声で8種類の動作をさせることができます。電源スイッチを入れ、まず命令の音声登録をします。この登録はスイッチを切ると消えます。今のようにフラッシュメモリーに保存という機能はありません。

 参考記事がネットに出ていないかを調べてみますと1件ヒットしました。コウちゃんおもちゃ病院というところです。そちらはリモコン送信機の不良と、ロボットのモーターが回らないという症状だったようです。お預かりした物は送信機は正常でちゃんと音声の変調もかかっています。古い物なのでモーターかもと思ってケースを開けると、いきなりギアがバラバラっと落ちてきました。ケースで挟んで軸受けにしているタイプです。それにしてもたくさんのギアです。とんでもない量です。しかもモーターはたった1個。8種類の動きをたった1個のモーターで実現する方法は、遊星ギアです。ギアの写真で赤い矢印の先が遊星ギアの付いたドラム。黄色の矢印の先が遊星ギアです。ドラムのあちこちにいくつも付いています。ここでも、モーターの回転方向で動作が変わります。まずモーターが回るとドラムが回り、所定の場所まで行くと停止、次にモーターが逆回転します。ドラムは逆には回らないようになっていて、小さい遊星ギアが一斉に回ります。そのときに遊星ギアとかみ合っているギアが動いて所定の動作を行うというわけです。

 しかし、最初ケースを開けたときにギアがいくつかばらばらと落ちてきたときには焦りました。何度か組み立て、また開いてを繰り返すとギアの位置も覚えてしまい、それほどでもなくなりました。それにしても機械屋さんの設計というのはすごいものです。私など電子専門から見るとモーターを増やした方が簡単に・・・と思ってしまいます。

 不具合はやはりモーターで、軸が固くなっていました。注油して電圧を加えると徐々に滑らかに。組み上げてテストすると、どうも不安定で、まだ接点不良などがあったり、ギア位置がおかしいのでは無いかと心配になり、またケースを開けて点検です。不安定というのは音声への反応です。いろいろやってみた結果、英語でやると案外うまくいきます。ストップ、ゴウ、ライト、レフト、アップ、ダウンという調子です。子音を強調し抑揚をはっきりさせるとそこそこ判別してくれます。


放射発光爆進ゴジラ 2016.11.14

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 ゴジラのおもちゃ。オーナーさんから歩いて吠える機能を戻して欲しいとのことでした。中を見ると無線の受信部分が存在しています。ところがオーナーさんの記憶にも送信機はなく、動作の詳細も判りません。そこで、メーカーのバンダイに電話してみました。最近はメーカーの対応があまりよくないことが多いようで、期待はしていなかったのですが、ここは違いました。お客様サポートというところがあって、実に丁寧に話を聞いてくれ、ゴジラの内部のシールの様子まで詳しくお話ししました。後刻電話を頂き、これは1994年発売の「放射発光爆進ゴジラ」という名称のラジコン製品。動作は送信機から前進と、右旋回の制御ができるというもので、送信機から操作しない限りゴジラは動きませんとの回答を頂きました。

 最初回路部分を調べていると、奇妙なところがいっぱいあって訳がわからなくなっていたのです。院長にも見てもらっていろいろと想像はしたのですが、はっきりと回答をもらって疑問が解けました。
 モーターを逆回転させる回路構成があり、これがナゾでした。足の裏に車輪があり、単純に前に進む方向にだけ回る仕掛があるのに、モーターの逆回転は何をするのかということです。答えは右旋回。モーターの逆回転では右足の車輪を完全に回らないようにし、左足を進めると右に旋回するというわけです。

 送信機が無いので、マイコンを組み込んで自律的に動くことを計画しました。30秒ほど歩いて、10秒ほど右に回りまた歩くという計画です。骨格のゴジラでのテストはうまくいき、皮をかぶせました。ところが、右旋回の途中で動作が重くなってモーターが止まってしまいます。右足の車輪を止めるとかなりの負荷がかかるようです。しかたないので、この機能はあきらめ、前進だけにしました。
 上の写真は修理が完了して歩きながら咆哮し背びれも光っているところです。下の写真はゴジラの骨格です。



re:放射発光爆進ゴジラ 2016.11.14 Nさん 1/09(月) [編集]

大泉様 286円ですか。それは安いですね。http://tutujith.blog.fc2.com/blog-entry-173.html拝見しました・・・なるほど、こういう具合ですか。これは一度作ってノウハウを蓄積する必要有りですね。水晶や半導体は持っていますのでいちどやってみます。


re:放射発光爆進ゴジラ 2016.11.14 つつじが丘おもちゃ病院 大泉茂幸さん 1/08(日) [編集]

つつじが丘おもちゃ病院の大泉です。
見積もりが1000円ではやらない方がいいでしょうね。
しかし、当方の事例では送信機の新規製作は268円でしたよ。
http://tutujith.blog.fc2.com/blog-entry-173.html
電子工作用のプラケースは高価なのですが、百均の樹脂ケースは安くて頑丈なので僕はよく使っています。体裁は悪いですが。。。

赤外線リモコンにすると送信機は安くできますが、受信側に赤外線受信モジュールが必要になるので、全体としては200円くらいになります。おもちゃの修理としては200円台が限度でしょうね。


re:放射発光爆進ゴジラ 2016.11.14 Nさん 1/08(日) [編集]

大泉様 実は外部のSGでテストしてみました。AMで400Hz程度の変調で前進、600Hz以上で後退となります。簡単ではありますが、作るとなると費用がある程度かかりますし、オーナーさんとご相談して、歩けばいいので・・ということになりました。回路だけならそれほどではありませんが、ケースも含めて送信機となると1000円以下に抑える自信がありませんでした。流用できるジャンクの手持ちがあればいいのですが、部品以外はストックがないのです。


re:放射発光爆進ゴジラ 2016.11.14 つつじが丘おもちゃ病院 大泉茂幸さん 12/28(水) [編集]

つつじが丘おもちゃ病院の大泉です。
遅レスですが、
この事例では「送信機を作る」のが最適解だと思います。恐らく2トーン式だと思いますが、受信回路はどうなっていましたか。


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ドラえもんザロボット 再入院  2016.10.27

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 ドラえもんザロボットが再入院です。また音が出なくなったそうです。前回、中のビスを切っていますので、今回は接着した頭部をカッターで切り離しました。スピーカーを点検するとやはり断線しています。別のスピーカーを試しに接続すると正常に音が出ました。これなら楽になおります。
 しかし、ちょっとまてよ、どうしてこんなにスピーカーが壊れるのだろうと考えました。スピーカーにかかる電圧を測定すると、直流成分の漏れは特にありませんでしたが、電圧が結構高い。2Vは出ています。スピーカーには8Ω、0.25Wと書いてあります。2Vですと0.5Wということになり、連続するとちょっときついのでしょう。当たり外れで、弱いスピーカーならじきに壊れるということだったのかもしれません。
 今回は少し大きめのスピーカーを付けて、さらに直列に保護用に抵抗を入れておきました。これでたぶん大丈夫でしょう。また接着剤で頭部を固定して完了しました。下の丸いのが今回取り外したスピーカーです。

アンパンマンパソコン  2016.10.8

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 アンパンマンパソコンのキーがいくつか効かないということで、入院。電源キーも効かないので、電池を入れるとオープニングメッセージが出て、それきりです。10分ほどすると時間切れで電源が切れます。

 外観を見ますとすぐに電池ボックスの異状に気づきました。ケースから取り出したのが右上の写真です。電池の液漏れで極板が全部腐食されています。切れてはいませんが、電源の線も中が真っ黒に錆びています。原因はこれかと、極板を全部替えました。しかし、状況は変わらず、キーが応答しません。全部のキーがダメなようです。画面は表示されていて、音も鳴るので、ICは生きていそうです。

 こうなるとフレキシブル基板の接点付近が怪しいと思い、見てみましたが正常。たどり着いたのがフレキシブル基板(フィルム基板)の線切れです。メインの基板との接点付近は良さそうなので、その先の屈曲部分を調べるとたくさん切れています。目では確認できませんが、テスターでの導通がないのです。ルーペで見ると、どうも導電性インクの厚みが足りないようで、すけすけです。それで、条件の悪い屈曲部で内部断線を起こしているようです。
 仕方ないので、そこを迂回して極細のポリウレタン線でつなぎました。フィルム基板には半田付けはできませんので、保護印刷の一部を削って露出させ、線を導電性接着剤(wire glue)で固定しました。wire glueは最初液体ですが、乾くとカーボンの接触度が増すようで、導通がよくなります。合計11箇所のバイパス手術となりました。一応別の接着剤で覆って保護しましたが、ぽろっと取れたら終わりです。もう少し確実な方法があれば良いのですが、フレキシブルは扱いにくいものです。

アンパンマンレジスタ 再   2016.10.5

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 しばらく前に修理したアンパンマンレジスタの再入院です。
 今回は電池の液漏れでした、腐食が進んで電池BOXの半田付け部で線がちぎれています。周辺を清掃して配線をし直しました。外した線の被覆をむいてみますとみごとに全体に錆が回って真っ黒です。基板のハンダでそれ以上の拡散は止まったようです。

 外部の読み取り子機のコードもぼろぼろでした。これも交換しました。今回はこの線の事を報告します。
 コードは親機と、子機の付け根で被覆が割れて中の8本の細い線が丸見えになっていました。ケーブルの被覆が劣化して割れているようです。これは交換するしかないと、同じくらいの太さの通信用ケーブルで交換しました。交換作業で基板の部分はさわりたくなかったので、本体の付け根付近で線を切って中継接続しました。そのときにハンダするために被覆をはがすと余り見かけない芯線が出て来ました。リッツ線です(高価です)。イヤホンのコードなどによく使われている線です。赤矢印の先の拡大写真を見て下さい。樹脂の芯に銅の薄い箔を巻き付けた構造で、さらにこれを3本よりにして1本にまとめています。きわめて曲げに強いので、外部の被覆が割れても芯線が切れることは少ないでしょう。修理する必要もなかったかもしれません。見かけは悪いですが。
 ということで、外部被覆と、内部導体のスペックのあまりのアンバランスに驚いた一件でした。

Pino 2016.9.10

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 Pinoというロボットです。今は亡きツクダオリジナル製だそうで、初めて見ました。丁寧に保管されていて、紙箱や取説もあります。説明書を読むと、遊んでやると3段階に成長するという仕掛けで、かなり複雑な動きをするようです。当然センサーがいっぱい付いています。音、光、赤外線、両手のスイッチ、頭のスイッチと6種類のセンサーで外部の状況を捉えるのです。

 持ち込まれたときは反応しないと言うことでした。電池を入れるとモーターが回っている音がしますが、動きません。カバーをどんどん外していくと、胴体内のギアボックスにあるモータからプーリーとゴムベルトでギアを駆動しているのが見えます。まずゴムが緩んで滑っています。しかし、その先も空回りしているようです。ということはギアボックス内のピニオンギアの割れかと見当を付けて分解しました。案の定割れています。10Tの山道ドライブ用ピニオンで入れ替えました。直径22mmのベルトを院長から頂戴して交換しました。快調に動きます。

 次は腰の部分のギアボックスです。ここも同じ状況で、ベルトとピニオンギアがダメです。しかし、ベルトは少しましなようなので、滑り止めに松ヤニを塗ってそのままとしました。そのときにギアボックス内に見慣れないギアがありました。写真の赤矢印の先です。遊星ギアのようです。よく見るとモーターの回転方向で全く違う動作をさせていることがわかりました。右回転の時は足を動かすギアにかみ合い、歩きます。左回転になると別のギアにかみ合って腰を振るのです。

 これを駆動するHブリッジ回路が故障です(水色矢印)。基板を外して調べるとトランジスタ6個の普通のHブリッジ回路なのになにか変です。トランジスタは8850と8550で、普通に見かける物です。どう見ても変なのであちこちの情報を漁るとありました。8550といってもS8550、SS8550ではなく、UTCのHE8550、HE8850はピン配置が違うのです。前者は足を手前にして右からCBEの順。ところが後者はBCEの順で、2SC1815などと同じなのです(写真4枚目)。この基板にはこれが混在していてきわめてややこしいことになっていました。しかし、結果はトランジスタの半田付けの不良と判明し.修理して動き出しました。ところが、これ以後テスト中にモータの配線を短絡させてしまい、Hブリッジ回路を壊すという二次故障となりました。その後壊れたトランジスタを取り替えてやっと復旧しました。そのほか手のタクトスイッチの交換も終わりました。ゆっくりやったので、二週間かかりました。

取説です

クレーンゲーム  2016.8.28

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 今回お預かりしたクレーンゲームはまだ新しいものです。バケットを降ろすときに開いたままでは無く、閉じてしまうと言う症状。中を開けて見ました。3枚目の写真に水色の矢印で指しているのがバケットを開くためのブレーキです。歯車(ギアではなく三角の歯車)にバネ状の刃が食い込んでいます。今回はこれが緩んでいてバケットの重さを支えきれずに落ちてしまっていました。そのために閉じてしまうのです。
 まず、この歯を固定するために2枚目の写真の緑の矢印のように刃にゴムを貼り付けて、上からかぶせるケースにしっかり当たるようにしました。しかしテストするとこれでもまだ不足です。そこで、3枚目の写真の赤矢印の様に薄い紙を刃の後ろに挟んで、刃の当たりを強くしました。今度はしっかりブレーキがかかって落ちません。
 しかし買ったときからこんな状態だったのでしょうか???。全部納めてテストしました、快調です。
 ところで、いままでのクレーンゲームに見られなかったものが付いていました。4枚目の写真の青矢印の先。これ、実はモーターの次のギアに噛んでいましてモーターが動くとこの車もがんがん回っています。なにかの具合で動かなくなったときに手で回して外部から正常な位置に持って行くためのものだそうです。当然モーターの数と同じく3個ありまして、向こう側と下側にも付いています。今回の修理でもモーターを無理に回さなくてもこの車を指で回せばテストできますので便利でした。

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